クリスマスとミセスと私
「お姉ちゃん起きてー!」
いつもは私が一番に起きるのに、今日はなぜか朝が苦手なはずの妹に起こされた。
起きてみると末の妹が
「プレゼントあったー!」
と嬉しそうにはしゃいでいる。
そうか今日はクリスマスか。
初めての受験で、得たいの知れない不安と焦りだけがつのっていく毎日だから、クリスマスなんて考えてる余裕なかったな。
いいな~、妹は。何であんなに、なにも考えずに、無邪気に笑えるんだろう。私はいつから純粋に笑う事を忘れて曲がってしまったのだろうか。
私は、そこでふと、イヤホンを手に持って別の部屋に移動した。
このままじゃいけないと、ボタンを押す。
すると、
私の乾ききった心に水が流れる。
その水は、私の頬も濡らした。
私は部屋を出て、妹のいる部屋に戻り、
「私のプレゼント何かなー!」
と、妹に笑いかけた。