堀辰雄の風立ちぬ
フランスの詩人、ポールヴァレリーの『海辺の墓地』と言う作品のなかに以下のような詩があります。
Le vent se lève, il faut tenter de vivre.
直訳すると、
風が吹く、我々は生きようと試みなければならない。
、となるのですが、『風立ちぬ』の作者で知られる堀辰雄は、次のように訳したのです。
風立ちぬ、いざ生きめやも (風がたった、まぁ生きられないだろうけど)
結核を患い、死の淵に立っていた堀辰雄は、一体どのような心境でこの訳を当てたのでしょうか。
東大国文科卒業なので、純粋なミスだと言うことは無いでしょうから、この意訳に情緒を読むか否か、思案のしどころです。皆さんは如何思いますか?