丁寧な殺し屋。
「貴方の事を殺りたいと思ったのですが、貴方を殺ってもいいでしょうか?」
丁寧な殺し屋はニコッと笑った。
そこらへんの殺し屋よりも、この殺し屋になら殺られてもいいと思った。
まるで温かく包んでくれるような笑顔は
殺し屋にとっては大切な武器なのだろうが。
僕は言った。
「ならば一つだけ願いを叶えてください。」
そして彼女にハグをした。
これで彼女が殺りやすくなるのならそれでいいと思った。
しかし彼女は震えていた。
僕は言った。
「怖いのならば僕と一緒に逃げますか?」
彼女はコクッと返事をした。