「心配してくれてありがと」 そう言った彼女はいつも通りの笑顔をふりまいた。 よかった、本当に大丈夫そうだ。 そしてそんな笑顔が素敵だな、と思った。 でもその後、彼女は俯いたかと思えば 「…、……、、…」 密かに泣いていた。 教室の窓側の、端っこの席。 いつもここからは見えないはずのその席が、 この瞬間は眩しく見えた。 彼女は、強いのだ。 そしてそんな強さが心配だな、と思った。 さて 今 僕の中にある勇気は 彼女の強さを壊せるだろうか。 賭ける。 「大丈夫じゃないやん」