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ユーラシア大陸縦横断旅59

午後10時40分、グラスゴー発ロンドンユーストン行き最終電車は終着駅に滑り込む
「バスは最終便出ちゃったか…」幼馴染が腕時計を見てそう呟く
「なら、Northern-LineでBank経由はどうだ?」そう問いかけると「何でも良いから早いルート使おう。眠いよ」と彼女が口を挟む
「幼い頃に俺を育ててくれた親の苦労が今になればよく分かるぜ」と苦笑いを浮かべると「歳の差が大きな弟妹がいるとよくあることさ。」と言って幼馴染も笑っている
地下鉄を活用し、日付が変わる前に宿に戻る
「明日は市内観光で良いと思うんだが、どうだ?」そう尋ねると「僕は午後の飛行機でヒースローからコペンハーゲンに発つからそれで良いよ」と返って来る
「なら、俺たちが再会したあの駅行こうぜ」と提案する
彼女も乗り気のようで頷いたが、すぐに睡魔に負けたらしく俺の腕の中で眠ってしまった
「寝かしてくるよ。また、明日な。おやすみ」と告げて部屋に戻る
彼女はスヤスヤと眠っており、俺も眠くなる
「何か硬いけど、どうせすぐ寝るし良いかな」と言って明かりを消し、眠りに付く
日の出の頃に起きて、とんでも無いことに気がつく
朝起きたら彼女が着替えを取り出しやすいようにと思って上げたはずのスーツケースを俺が枕にして寝ていたのだ
俺が目覚めたのを見て、彼女は苦笑いを浮かべる
「この間のお返しね。寝顔と寝言録ったよ」と言って今まで見たことのない輝きを放つ笑顔を浮かべている
「え?」「はい、これ。『男の嗜みとは〜♪嫁さんとのTea break。飯田橋のお堀に咲く花〜♪みたいだろ〜♪』って、これ昔のアニメのキャラソンだよね?原曲ではイギリスのこと歌うのに替え歌して東京のこと歌ったよね」と言って笑ってる
「君のことも歌ったんだけどね」と言って笑うとお互い顔を真っ赤にする
「お二人さん、起きたかい?」と言って幼馴染が呼びに来る
「あの駅行くなら、時間かかるからそろそろ行くよ」と言われた
当時を彷彿とさせる服で思い出の場所へ向け、部屋に鍵をかける
「「待ってろよ。僕(俺)達の思い出の駅!」」そう叫び俺たちはウォータールーの地下鉄駅を目指し、幼稚園の駆けっこを彷彿とさせる走りでロンドンの大通りを駆け抜ける