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雌牛

 髪の美しい女がいた。髪の美しい女は、美しい髪を保つため、毎日髪にバターを塗っていた。
 貧しい男がいた。貧しい男は、髪の美しい女に恋をしていた。貧しい男は、こつこつ金を貯め、雌牛を購入した。乳を搾って、バターを作ろうと思ったからだ。もちろん、髪の美しい女にプレゼントするためだ。
 雌牛は、乳を出さなかった。子どもを産んでないからだ。したがって、貧しい男は、髪の美しい女になんらのインパクトを与えることもかなわなかった。髪の美しい女は、三十手前で、金持ちの男と結婚した。
 貧しい男は、髪の美しい女の気をひくこともできず、一生貧しいままで人生を終えた。当たり前だ。雌牛は子どもを産まなければ乳は出ないのだ。この程度の知識もないようなばかが金持ちになれるわけがない。だけどそれがどうした? 雌牛はよくなついていたし、ばかだったから誰のうらみも買ったりしなかった。幸せってのは、こういうことをいうのだ。
  
 

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手放すべきは。

あんなに好きだったものが、2番目になりそうなくらい依存してしまう。
一番は、一番のままがいいと。
こんなに優先順位がかわるくらいなら、いっそ手離すべきなんじゃないだろうか。

一つのことでしか、頭をいっぱいにできない私は今日も。
一つのことにしか、愛をそそげない私は。

いっそ、手離すべきなんじゃないだろうか。

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君に届け

全てはあの春から始まった。学年1のイケメンと言われる君に恋をした。勉強、スポーツ、性格。全てが完璧な君に。何でだろ?ライバルは多い、きっと叶わない、そんな事分かってた。なのに君を好きになった。一緒にいると楽しいと思えた。友達のおかげでメアドまで交換して、メールした。君は気づいてる?一緒にいて楽しい?とかしゃべれなかった日の寂しいって思ってる私の気持ち。きっと気づいてないね。でもいつかは気づいてほしい。君を見ると溢れ出すこの気持ち。君に届け!