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なつかしい

よくプールのにおいが懐かしく感じることがある。
よくブランコの錆び付いた音が懐かしく感じることがある。
こうやってどんどん大人になって、今の私も懐かしいと感じる時が来る。
だから今を大切にして
いつかいい思い出だったと笑えるように
毎日を大切にしていきたいと思う。

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第1交響曲

サクヤは少しの憂鬱を覚えていた、「(図書館...久々に入るわねぇ...)」、この館の約半分を占める図書館、蔵書は、境界を越え、流れ着いたものや、各地からかき集めた魔導書と様々、ここはルナの指示で、基本的に入ることを禁じられた、理由はルナの双子(二卵性)の姉、クラン・パチュリー・スカーレットにある、彼女は魔法使いであり、大魔法使いに匹敵する魔力をもつが、なぜか、図書館に籠って出てこようとしない、そのため、館の外の人からは、半場幻となっていた、彼女がいるのは、図書館の奥、いわゆる司書室に当たる場所だ、「失礼します、お姉さま」、「あら、来客なんて久しぶりねぇ」、「お嬢様からの頼み事を伝えに参りました」、「えぇールナから?どうせ、ロクなことじゃないしょ」、「アレを、発動するようです」、「ほら、やっぱり...あれ、すっごく疲れるのよねぇ」、「魔導書を拾って、この世界に来たのがいるのです」、「巫女に頼めばいいじゃん、何でわざわざ私がやるのよ」、「巫女は、侵食を受けておりまして、おそらくそれどころじゃないかと」、「ん...?侵食...?今代はやけに早いねぇ」、「おそらく、イズモの一派が関わっております」、「なるほどぉ...ルナがわざわざ私を引っ張り出してきた訳がわかったぞ...ルナはお母様を呼ぶ気だろ」、「はい、そのつもりのようです」、「やっぱりな...実行は?」、「おそらく、今日明日辺りかと」、「ふーん...魔方陣はあれをつかうかなぁ...そうしたらあの呪文を試してみようか...」、クランはシュミレーションを始めた、サクヤは図書館から出た...
「お嬢様、お姉さまは準備を始めました」、「あら、早いわねぇ...でも、いいわ、そっちのほうが、面白いもの...」、ルナは妖しく微笑んだ...

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くよくよ

 後悔のない人生はない。
 まあこんな言葉は今日成人式を迎えられた皆さんには後ろ向きにきこえるかもしれないが。
 若いうちこうしておけばよかったああしておけばよかった。ああしておけばいまごろこうだったなどと。
 わたしはもうすぐ六〇になるが三日に一度はこんな感じでくよくよしている。
 だが、だからこそこの年でも頑張ろうという気持ちになる。
 過去を振り返ってくよくよするのは現状に満足していない証拠だ。
 つまり、向上心のなせるわざなのだ。
 向上心があるかぎり君たちはくよくよし続けるだろう。
 くよくよしないやつなどわかりやすい言葉で言えば向上心のない単なるあほなのだ。
 記憶力もないのだろう。
 きっと鶏程度の脳みその持ち合わせしかないに違いない。
 鶏はから揚げにしたりやきとりにしたりするとたいへん美味しいが、脳みそが鶏の人間じゃあなんの役にも立たない。
 なんの話をしていたんだったかな。
 そうだ。とにかく、これからの人生、大いにくよくよされんことを願う。
 成人おめでとう。