『夏の最後の日肆』
さて、ここからが本題です。
何故、貴女を此処に招くか。
一番の理由は貴女を保護した時のゴースト達の様子です。
神社の結界は主に低エネルギー体で構築されています。
高エネルギー体であるゴーストが低エネルギー体にぶつかる事で統一エネルギーを中和するという構造になっています。
佐奈伎大社は何百重もの結界が張ってあるのでいくら強いゴーストと言えども弱ります。
弱ったゴーストは足りない分のエネルギーを欲します。
それで何をするかと言うと、生きているモノからエネルギーを引き寄せます。
元々高密度のエネルギーを持っていたゴーストの足りない分を取られるのですから人間なんて一溜りもありません。
ですが、貴女は少し違った。
貴女が佐奈伎大社で倒れていた時、貴女の周りにはゴーストが沢山いましたが、どの個体も貴女を見ているだけでした。
実は、貴女以外にも数人保護しているのですが目が覚めたのは【貴女だけでした】。
↓あとがきも見てね
笑えど叫べど
壊れぬこの鉄の壁。
泣けど喚けど
届かぬ響かぬ私の声は今何処へ。
今日を笑うか明日を泣くか。
自分にはどうにも解らない。