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はたり、

伸びる、消える、影。
落ちる、転ぶ、涙よ、とまれ。
君が、一度、指切りしたの、思い出して、うつつ、ゆらら。

なんで、わたしなのかしら。
ああ、悲愴の雨。
ねえ、知らないふりして、

ねえ、振り返ってよ

灯る、探る、夜。
潜む、塞ぐ、瞳に、映る。
君が、嘘を、ついたの、今、思い出して、うつつ、ゆらら。

なんで、わたしなのかしら。
ああ、うねる悲愴。
ねえ、涙の跡は、
ねえ、隠せちゃうの。

ああ、悲愴の雨。
ねえ、どこまで待つの。
もう、知らないふりして、
ねえ、振り返らない。

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一人ぼっちなら。

この世界に、私ひとりなら。
何かを失う悲しみを知らなくてすんだのに。

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君想う

待ってる、待ってる。
今日も待ってる。
君から来る連絡まだかなって。
でも時々待てなくなる。
だって君ともっと話したいから。
でもやっぱり待つの。
だって私は君の特別な人じゃないから。

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無題

負けては行けない戦いと、逃げるうべき戦いがある。
勝つだけが勝負じゃない。

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黒髪、

音を消した後イヤホンを外さないのは世界が五月蝿いからじゃない。
自分の中の声を聞き逃さないため。

磨り減った踵のローファーで
夜の街をずんずん歩く
冷たい風が煙草の匂い
今のあたしに
何にも怖いものなんてない。

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無題

平気なふりをしていたらいつかほんとうに平気になるんだと思っていた。わたしがわたしでいることがむつかしいみたいに、あなたがあなたを生きることもむつかしいんだって、きっとわかっている。わかっている。誰にも会いたくないと泣いている。情けない自分は日に日にずるくなってゆく。卑怯者、と叫ぶ声がする。逃げるつもりか、とささやく声がする。ぜんぶ聞き覚えがあるからまた、逃げる。ほっといてくれなんて幼稚で言えない。かっこつける理由はわからない。やりたいこともやらなければならないことも捨てたつもりで握りしめている。明日が来なければいいのにと、未来があることを心のどこでも疑わずに祈っている。たとえば、いま。わたしをどこでもない何処かへ連れ去ってくれたら、あなたはわたしの、愛すべきひとだわ。偉い先生の人生の指南書なんかより、薄っぺらい三流ファンタジーのほうが、よっぽどいいわ。