僕は君にあの時のことを謝りたい
本当に
情けなく弱く
ただ男らしさと自分の地位しか
考えていなかったこと
君の大切なものを奪ってしまったこと
今許してもらおうとしても
無理だということは分かっている
それでも君のために見つけたい
この広い広い海の中
それを見つけるのに
どれだけの時間がかかったとしても
二ヶ月ぶりに会えた 大好きな人
「私たち、自然消滅しちゃったの?」
「俺は付き合っても付き合っていなくてもいいけど」
それ どういう意味?
さよならの時間 一生懸命手を振った
もっと一緒に居たかった
なんで?
なんでこんなにも辛いの?
来年もまたここに来ようねって
笑って言えたらどんなによかったかな
浮かされた体温をしずめるように
ぼくはきみの手をそっと握った
薄い胸板を乱暴に叩いては
熱を孕ませる不治の咳
ねえ、綺麗な桜だね
もうすぐ見頃も終わってしまうね
きみの瞳のなかで荒ぶ花びらは
どうしてこんなに美しいんだろう
散りきったことにも気づかないほど
ぼくは見惚れてしまったんだよ