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大人論2

 プレイボーイというのがいる。ーー話に脈絡がないように感じられるだろうが着地点は考えてあるので我慢してお付き合い願いたい。ーーわたしは以前、男は女を選んでいるつもりでいるが、実は女に選ばれているだけだと何かで書いた。選ばれることに躊躇のない男。つまりそう。これは自分の立場をよく心得ている男。妥協のできる男である。プレイボーイは理想など追ってはいない。きわめて現実的な種類の人間。大人なのである。

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無題

傷つきたくなくて
聞こえないふりをしてた

僕が助けてと声を上げたら
君は来てくれるのかな
僕の声はちゃんと届くかな

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無題

サーカスのプリンセス・ラビット
毛皮のスカート閃かせ
ぴょこぴょこ ぴょこぴょこ
飛び跳ねて踊るの

ちぐはぐな音楽とステップ
下手くそな見世物にお客様は手厳しい
飛び交う野次と石打ちの刑に
お姫様は ぴょこぴょこ跳ねるの

サーカスのプリンセス・ラビット
毛皮のドレスに ふわふわ日傘で
ピエロ相手に空中ブランコ
遠くの街まで轟いていた人気

酒浸りのミスター・エレファント
プリンセス・ラビットの お父さん
ダブついた腕は精度を欠いて
錆だらけのナイフが後脚を奪ってしまった

空中ブランコ 玉乗り ジャグリング
何でもできたミスター・パーフェクト
お姫様の相方は笑えなくなったなんて
巫山戯た理由で一足お先に人間界へ

サーカスのプリンセス・ラビット
今日も片脚 ぴょこぴょこ踊るの
優雅に目を閉じて王子を待つ贅沢なんか
掘建小屋のお姫様には夢のまた夢なの

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大人論

 四十過ぎても結婚しない男がいた。結婚してもいいなとは思っていた。よさげなのがいれば。そのよさげなのが問題だった。しとやかだが、堂々とした美人で、服の趣味がよく、男性経験はない。自分だけを愛してくれて、若くて、働き者で、立ち居振る舞いが美しく、箸づかいがきれいな女性。
 こんなお花畑な理想に対し男は、不細工で貧乏。怠け者で酒好き。多趣味だが仕事にできるほど達者ではない。結婚したかったら適当なので妥協するしかないレベルだった。だが男は妥協しない。男にとって妥協は大人になることを意味していたからだ。男はいつまでも子どもでいたかった。
 以上、1954年の刊行物、『四十男の結婚』からの抜粋である。わたしはこの文章を読んだとき、月並みな表現だが、はっとさせられた。理想に合致する異性と出会えることはないにしても、本気の恋愛をし、結婚するぐらいな妄想は十代ぐらい(二十代もか?)だったら当たり前だろう。だがそんな幸運に恵まれる人間がこの世にどれくらいいるのだろうか。わたしはきっぱりゼロだと言い切ってしまう。なぜならわたしは、常識的な四十代だから。

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ゆるやか

強みを帯びてくる陽射しに
まだ生ぬるくはない風
何もしないまま過ぎていく時間
少しのクラシックだけで十分だ。

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ポロン

小刻みに踊る雨粒のステップは、今日も軽快な音楽を奏でながら
傘に弾かれる水滴さえも振り付けにしてしまおう。
せーのでジャンプで水たまりに飛び込んで
とても大きな楽しさと、ほんの少しの後悔を丁寧にラッピングして、キミに届けよう。

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臆病者の恋

ずっと好きだった
だけど・・・・・・
想いを伝えると
関係が壊れそうで
恐いんだ・・・

キミは鈍感だから
気づいてないと思うけど
ボクは・・・・
キミを想ってる

届かないこのオモイ
もどかしい・・・


このキモチがばれたら
ボクは恥ずかしいから・・・・・
キミを避けちゃうかもしれない・・・

でもキミには今まで通り
接してホシイ・・・・・・

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棚上げすることによって生きられている大問題には目もくれられることはなく、外ヅラ綺麗な努力を褒めて、めでたいような孤独。ハッピーエンドが好きだから。ハッピーエンドが好きだから。行き詰まった時、そんな未来の孤独。解決策のない孤独。友達とメシ食って、無責任にふざけて笑って笑って、逃げ切れたらないいのにな。ガンでもなんでも。。。