昨日むいてしまったささくれが
今日、痛さを発揮した。
チクチクと痛む傷口は
何かに似ている。
…気がする。
そうだなぁ、あれだ。
失恋とかいうあいつだな。
チクチク、チクチク
心が痛んで当分は治らない。
あぁ、明日になったらささくれの傷も少しはよくならんかなぁ。
ねぇ
いつか離れるんだったら
初めから近寄ってこないでよ
近寄って期待させてさ、
離れて傷つかせる。
酷いよ
そっちが来なかったら私だって
傷ついたりしなかったのに…
それとも、勝手に期待してた私が全部悪いの?
私は、もう傷つきたくないから、
これ以上、期待させないで…
あれから3ヶ月がたった夜。
嫌いになりかけて 忘れかけて
なのに こんばんは。
あなたもわたしを嫌いに
そう 嫌いになってくれたかと
思ってた。
友達でもなくなった あの日から
こんなに時間が経ったのに
今更 連絡なんて待ってないよ
同級生になった あの日から
こんなに会話をしてないのに
元気?なんて 言わないで。
あの夜 恋をもうしないって
あなたは言ったよね
なのに 恋したい。
あなたは誰も好きにならないと
そう 好きにならないと
思ってた。
なんでさ 何を思って
連絡したの。 恋をしたいって
それを 言うため?
どうしてさ 誰を想って
そう言ったの。
わたしを 傷つけるため?
友達でもなくなった あの日から
こんなに時間が経ったのに
今更 連絡 嬉しくないよ
同級生になった あの日から
もう 好きとか 思わないよ。
うん 想わないよ。
高級住宅街に位置するレストラン。古民家を移築した落ち着いた大人の雰囲気の店内にはテーブルが三席のみ。メニューはなく、その日仕入れた旬の素材を客に見せ、選んでもらった材料で即興で作るイタリアンは舌の肥えたセレブをうならせる。
料理はもちろん店主のもてなしを大事にする精神がいい。
たまに猿が来る。
枯れた心の潤し方を
私はいつまでも会得出来ずに
攫って下さる掬い手を
ただ ぼんやりと 待っている
からころと鳴る罅割れた それを
柔らかな掌が そっと持ち上げて
透明な泉に浸してくれるのを
ただ ぼんやりと 待っている
家の時計は動いてる
学校の時計も動いてる
なのに、
俺の時計は止まってる
なんでなんだろう...
多分それは
その一瞬に後悔したくない俺がいるから...