わかっていること
空があおいこと
わかっていること
あの空にはとどかないこと
わかっていること
あの空には星があること
わかっていること
あの星は生きていたこと
わかっていること
だから私は一人になったこと
あなたは消えて
私は残る
残された私は見えない星を探すだけ
「星が綺麗ですね」
口先だけの愛に掌の上で恋をして
指先にそっと想いを込めて
救いようの無い莫迦の相手をした
此の海のような人の中で
わたしの目に留まったのだから
わたしが掬ってやったのだから
其れだけで此の莫迦も救われたようなものだろう
其れじゃあわたしは誰が救って
若しくは掬ってくれるのだろう
生きる速度は早まり、季節はいつの間にか秋になっている。
成長しているはずなのに、成長していないように感じる。
僕は今日も生きている。
何の為に生きているかも知らず。
明日も明後日も生き続ける。
仕事は僕の代わりはいくらでもいる。
そう分かっていても、明日も仕事へいく。
正論は正論。人の心は心。
どちらかが正しいとか間違ってるとかじゃない。
いつまでも私に泣きついて抱きついて
寄り添ってくるあいつは一体何者?
顔も姿も見せないあいつは…
無理矢理離そうとしても離れない
そう、一生こいつは消えない
そんな事に気付いて怖くなった
「化け物、仲良くしよう」
なんて馬鹿か
私に取りつくあいつは私だった
心の奥底に眠っていた
私という名の化け物
秋なのに、
あなたは行ってしまったのね。
あなたはわたしに、
嘘をつきたくないんだったら感情をコントロールしないと駄目だ。怒りにとらわれて心にもないことを言ってしまうことがあるから。
って
言ったことがあったね。
秋なのに、
あなたは行ってしまったのね。
あなたはわたしに、
感情的になっている人間に本気で取り合っていると、感情を刺激され心にもないことを言ったりやったりしてしまう。人間て社会動物だから。相手に取り込まれないことだ。
って
言ったことがあったね。
秋なのに、
あなたは行ってしまったのね。
あなたはわたしに、
怒りにまかせて言ったこと、怒った状態できいたことは正確に覚えてないか忘れてるってケースがほとんどだ。怒りで記憶力が低下しているから。
って
言ったことがあったね。
秋なのに、
あなたは行ってしまったのね。
あなたはわたしに、
頭の悪い人ほど怒りっぽいのは情報処理能力が低いから。相手の言うことを瞬時に処理できないからいらいらしてしまう。話の途中で質問されると怒り出す人いるだろう。これも情報処理能力の低さの表れだ。フリーズする人もいるが。
って
言ったことがあったね。
秋なのに、
あなたは行ってしまったのね。
あなたはわたしに、
かつて知っていた名称を思い出せないのは記憶がなくなったわけではない。大人はデータが重くなっているので呼び出しが上手くいかないだけだ。記憶していたことを記憶している。これがメタ記憶だ。
って
言ったことがあったね。
秋なのに、
あなたは行ってしまったのね。
あなたはわたしに、
人生は五十年。脳の寿命を考えたら。
って
言ったことがあったね。
秋なのに、
あなたは行ってしまったのね。
食欲の、
秋なのに。
鬼さん此方 見付けてみせて
手のひら打ち鳴らさずとも
この胸で昂ぶる心ノ音
貴方の手で見付けてみせて
鬼さん此方 暴いてみせて
手のひら打ち鳴らさずとも
この首に隠した香水を
貴方の手で暴いてみせて