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思い返すはいつも君 第1話

「気をつけ、礼」
「お願いしまーす」

始まった。眠たくて退屈な高校の授業。
先生は黒板に何やら数式を書き始める。私にはもはや暗号にしか見えない。

ノートを開く。しかし書くのは板書ではない。先生が話すことでもない。

私はしっかりシャーペンを握ると、一言書いた。

「元気ですか、大晟」

大晟・・・櫻木大晟(さくらぎたいせい)へ向けたメッセージ。
大晟は私・・・栗葉星羅(くりはせら)の中学時代の同級生。高校は違う。

「大晟、貴方にこのメッセージを届けられるなら、私はあの時・・・中1の時言えなかったことを伝えます」

そしてシャーペンを握り直した。

「忘れようと頑張りました。貴方のことを忘れようとしました。でも無理でした。やっぱり、貴方のこと好きだったんです。」

そして私は書いていた文章をすべて消しゴムで消した。

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好きなのは

人を愛するってなんだろう。
まだ未熟な高校生にはわからないのかな。
私がほんとに好きな人は・・・
忘れられない人は・・・

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明日

明日起きたらなにもなかったことになっていてほしい
明日起きたらこの不安が消えていてほしい
明日起きたら。

明日に望むことは残酷なことだと知っているけど、気づかないフリで、今日も願う

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食欲の秋

きみの才能をあたまからむしゃむしゃたべたい

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日常

目覚めたら、
今日が終わっていて
わたしは少し泣きたくなった
すきな人の詩集をめくっていたら
青じそドレッシングの匂いがした
少し開けたれいぞうこのドアから
暗闇にもれるオレンジ色に
あたまをつっこむあなたが
世界でいちばん愛おしい

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文末のW

僕と君の関係は愛想笑いを添えないと
保てないって知ってるよ
きみがすきです
いつか真剣な
眼差しを僕に向けてくれるかな

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私の溜め息とあなたの言葉

なんて切り出したらいいのかしら?
ずっと前から好きでした。なんか男っぽい
いきなりキス。絶対出来ない
「はぁ〜」
あ、今なんか聞こえた。
なんか言った?って訊こうとしたけど
なんか鼻唄歌い出しちゃったし…。
ねぇ、あなたはいまなんていったの?

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居場所

居場所?ああ、あるよ。
自分。俺の居場所は自分。
ふはは。


彼の乾いた笑い声を忘れないだろう。

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愛の値段

税込1980円か、どうしようかな。

愛なんてちょっと欲しがればすぐ手に入る。

だけど君からの言葉は
そんなんじゃ手に入らないし
安いと思いたくない。