「好きです。付き合ってください」
なんて、絶対言えねーだろうな。
だからって、君から言ってくれるわけないし。
誰も知らないはずの気持ちだから。
そんなことあるわけないのに、期待しちゃってる俺もいる。
ろくに話もしたことないのにさ。
恥ずかしくて言えないよ。絶対OKしてもらえないよ。
でも、言わなきゃ始まんないしなぁ。
3年間の思い出を、指先一つで辿る。
そこには笑顔がたくさん溢れて、溢れて、
涙なんて1枚もない。
そんなことない。3年のうちに、色んな涙を見てきた。
写真たちは美しい。
楽しかった思い出たち。
美しいだけの思い出を彩るのは、私の、みんなの中に残ったほんものの感情たち。
どっちも欠けてはだめ。
ああ、この思い出を辿って、流れる涙は一体なんの感情だろう。
体中が楽しかったと叫ぶんだ。
楽しかったなあ。本当に、楽しかったの。
あの舞台の上で、私たちは誰よりも幸せだった。
もう、写真からしか戻れない場所。
写真では絶対に見られない光景たち。
ぼやけて、ぼやけて、
今日も明日になっていく。
可愛くお洒落をした日には
あなたと街角でばったり出会いたいなんて思うくせに
もしも本当にあなたに会えたなら
私はきっと 目も合わせられないのでしょうね
君のその笑顔の
はりめぐらされたものの中に
どんな感情がありますか?
うしろめたいこと、ないですか?
しんぱいなんです、あなたが。
てを握ったりするわけでもないし
いいたいこと全部言えてないし
つらい時に支えられてないし…でも
もっと頼ってよ じゃないと
笑顔の裏を勘ぐっちゃうよ
ってったって、君はそばにいないけど。
てを見つめるのは、君じゃなきゃ嫌。
らくになってくの、気持ちが。
れいせいな君だから、
るーずな君だから。私の…
のこりものの福なんだよ、ってね。
古文の時間
そっと君を盗み見れば
消えてしまいそうな
そんな目をした君と目があう
なぜか悲しくなって
涙が出そうで
過去は過去と割りきれなくて
ただ、気づかないで
消えないでと
そう願うしかなかった
『逢ふことの 絶えてしなくは なかなかに
人をも身をも 恨みざらまし』