気が付けばセブンティーン。
名前ほどキラキラしてなくて、悩み事は重く、深くなっていく。もっとキラキラしたもんだと思ってたよセブンティーン。
でもそれが大人になった証拠ならば仕方ないな。
ちゃんと立ち向かえるはず。だって、もう泣いてしまえる年齢じゃないもの。
しっかりしないといけない。誰かに頼ってもいけない。そうでしょ?セブンティーン。
好きだったよセブンティーン。
今じゃ少し痛いだけ。大人になんてなれないの。
顔を合わせる たびに喧嘩してた僕ら
あの日「ごめん」の一言すごく遠かったんだ
今さら許してなんて言わないから
最後にあなたの前で
Dear My Friend
いつまでも続くこの思い あなたに 届けよう1番に
You Best Friend
何があってもずっと ありがとう
この言葉を送るよ
Dear My Friend
きっと、瑛瑠が驚き、それでもはにかむように微笑んでいたことに気付いたのだろう。
少し自嘲気味の笑みを溢したチャールズ。
「ですから、お嬢さまにもきっとそんな存在が現れますよ。」
ここへ持っていきたかったらしい。見事な帰着に瑛瑠もにっこりする。
確証もないありがちな言葉は、今の瑛瑠にとって何よりも嬉しいものであった。
「チャールズから自分の話をするのは初めてだったから、嬉しかった。」
ぽろっと零れた言葉がチャールズに苦笑をもたらした。
「少々語りすぎました、すみません。」
瑛瑠がいかにも興味津々といったように碧い眼を覗きこむ。
「個人的興味として、チャールズの恋愛を聞きたいのですがっ……!」
そんな瑛瑠をいつものように
「はいはい、それはまたの機会に」
とあしらっていたのだが、言いかけて止まる。
すると、微笑んで言うのだ。
「お子サマには少々刺激が強すぎると思われるので話せません。」
成人したらお話ししてあげてもいいですよ?と、そんなことを口走る。その笑みがあまりに魅惑的であてられそうになった瑛瑠は、顔を引きつらせておやすみと言わざるを得なくなった。