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Salva me

嵐の夜から救い出して
冷たく暗い海底から
その手で僕を引き上げて

太陽から遠く離れたこの
深海に僕に光をもたらして
温かさが体を刺すほど
kiss me don't kill me

吹き荒れる風に
降りしきる雨に
身をまかせた僕を
save me and love me

あぁ信じられないな
自分でもこの震える指が怖いんだ
月の光が星の光が
こんなに眩しかったなんてな

愛してると言って
その一言で
僕に呪いをかけて
君の愛を
消えない呪縛を

ありがとう君は
僕の主
僕の救い
僕の錨
僕の窓
僕の愛
ありがとういつも
そばで共にいてくれて
僕はもう僕達だ

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水と日常

ずっと何かを吸っている
灰色の水
もう味はしない
その水をすべて飲んで
ふらふら歩く
それが日常
だんだん水は蒸発する
でもまたかけられて
水を吸う
エンドレス

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Advent 12/17

こうしてみんなと一緒に帰るのは、しばらくぶりだな、とあたしは思った。
まだ、部活をやっていたころは、こうしてみんなでよく一緒に帰っていた。
でも、部活をやめてからは、みんなクラスが違うから、一緒に帰ることはすっかりなくなった。
今日、こうしてみんなで帰っているのは、なんとなくあたしがみんなを誘っただけだった。
「ねぇ鈴~、こないだのテスト何点だった~?」
この前のテストで、あまりいい点が取れなかった雪希音が、あたしに尋ねた。
「え~と、国語が70点で、数学が65点、英語は…67点かな」
「よっ!平均点どストライクガール!」
ココナがそうあたしをはやしたてた。その言い方はちょっと嫌だな、と思ったけど。
「でもここまでいい点が取れたのは、冷ちゃんのおかげだよ~」
あたしは、普段このメンバーとは一緒に帰らない、冷ちゃんこと、冷泉ミユキの方を振り向いた。
「え~、でもそれは、鈴ちゃんが努力した結果だと思うよ?」
冷ちゃんは恥ずかしそうにした。
「でも冷泉さんはすごいよね~、今回も学年1ケタなんでしょう?」
「まぁ…」
日苗のほめ言葉に、冷ちゃんはちょっと押され気味だ。
「ね、冷泉さんは、どこの高校行くの? やっぱ、めっちゃ頭いいトコ?」
ココナは自分らより勉強できる人に、めちゃくちゃ興味津々だ。
「実は…まだ決めてないんだ」
「え~! でもどこにしようと、絶対合格するよ~」
ココナは予想外の回答に、ちょっとのけぞってしまった。
「そういってるココナの進学先は…」
「あーっ、あーっ! 言わないでよ日苗! 恥ずかしいから!」
近くでちょっとしたわちゃわちゃが起きているさなか、冷ちゃんはこんなことを訊いてきた。
「ねえ、鈴ちゃん」
「なぁに、冷ちゃん」
「よく鈴ちゃんがしている、”ライブ”の話。あれの続き、教えてくれる?」
そうだった、今日の休み時間中にそんな話して、チャイムが鳴ったから、じゃ、あとで、って…
「…あ~、”クリスマスフェス”ね。毎年東京で開催される、ちょっとしたフェスティバル。なんと入場料無料なんだ! 去年行ったんだよね~」
「へぇ~、じゃ、今年も、行くの?」
その言葉を聞いたとき、あたしの中で、行くか行かないか、迷っていた心に光がさしたような気がした。ありがとね、冷ちゃん。