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Advent 12/17

こうしてみんなと一緒に帰るのは、しばらくぶりだな、とあたしは思った。
まだ、部活をやっていたころは、こうしてみんなでよく一緒に帰っていた。
でも、部活をやめてからは、みんなクラスが違うから、一緒に帰ることはすっかりなくなった。
今日、こうしてみんなで帰っているのは、なんとなくあたしがみんなを誘っただけだった。
「ねぇ鈴~、こないだのテスト何点だった~?」
この前のテストで、あまりいい点が取れなかった雪希音が、あたしに尋ねた。
「え~と、国語が70点で、数学が65点、英語は…67点かな」
「よっ!平均点どストライクガール!」
ココナがそうあたしをはやしたてた。その言い方はちょっと嫌だな、と思ったけど。
「でもここまでいい点が取れたのは、冷ちゃんのおかげだよ~」
あたしは、普段このメンバーとは一緒に帰らない、冷ちゃんこと、冷泉ミユキの方を振り向いた。
「え~、でもそれは、鈴ちゃんが努力した結果だと思うよ?」
冷ちゃんは恥ずかしそうにした。
「でも冷泉さんはすごいよね~、今回も学年1ケタなんでしょう?」
「まぁ…」
日苗のほめ言葉に、冷ちゃんはちょっと押され気味だ。
「ね、冷泉さんは、どこの高校行くの? やっぱ、めっちゃ頭いいトコ?」
ココナは自分らより勉強できる人に、めちゃくちゃ興味津々だ。
「実は…まだ決めてないんだ」
「え~! でもどこにしようと、絶対合格するよ~」
ココナは予想外の回答に、ちょっとのけぞってしまった。
「そういってるココナの進学先は…」
「あーっ、あーっ! 言わないでよ日苗! 恥ずかしいから!」
近くでちょっとしたわちゃわちゃが起きているさなか、冷ちゃんはこんなことを訊いてきた。
「ねえ、鈴ちゃん」
「なぁに、冷ちゃん」
「よく鈴ちゃんがしている、”ライブ”の話。あれの続き、教えてくれる?」
そうだった、今日の休み時間中にそんな話して、チャイムが鳴ったから、じゃ、あとで、って…
「…あ~、”クリスマスフェス”ね。毎年東京で開催される、ちょっとしたフェスティバル。なんと入場料無料なんだ! 去年行ったんだよね~」
「へぇ~、じゃ、今年も、行くの?」
その言葉を聞いたとき、あたしの中で、行くか行かないか、迷っていた心に光がさしたような気がした。ありがとね、冷ちゃん。

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