むかしむかし
日本には人に悪影響を及ぼす宝石がありました。
それはそれは綺麗で夜空に光る三日月のようでした。
しかしその宝石の魔法は本当に恐ろしく人々の心を悪魔に変えてしまうものでした。その宝石から人々を守っていたのが恐ろしい姿をした鬼たちでした。鬼たちは人々にこの宝石を持ってはいけない。そう説得しようと長い間頑張っていましたが、その姿は本当に恐ろしいため誰も話を聞こうとするものはいませんでした。そのうち鬼たちは諦め、宝石を持っている人達から強引に奪うことにしたのです。しかし、それは何も知らない人々からしたらとてもとても恐ろしいことでした。なぜ私達を襲うの?私達はなにかしたの?鬼は本当に恐ろしい。悪魔だ。
そうして何も知らない人々たちは鬼を村から追い出したのです。しかし鬼たちは人を助けることをやめませんでした。追い出されようとも宝石を奪いに村へ何度も足を運んだのです。そうしているうちに長い年月が流れ、あの英雄が村へ流れ着いてしまいました。
よし、僕が鬼を退治する。そしてみんなから奪った宝石を取り戻す!そう言って鬼が住んでいる島へ仲間を引き連れ向かっていったのです。その英雄は恐ろしいほどに強くそれは悪魔のような強さでした。いとも簡単に鬼を倒し、宝石を村へ持ち帰りました。
しかしその宝石は恐ろしい魔法が宿っています。
人々はその宝石に長い間触れすぎてしまいました。
宝石は心だけではなく、姿も悪魔のようにしてしまったのです。その姿は人々がとても恐れていたあの鬼のような姿でした。鬼たちは初めて知りました。私達が追い出した鬼たちは私達を守ってくれていたのだと。
それから数年が経ちました。英雄というものはいつの時代も生まれてしまうものです。鬼たちはいとも簡単に倒され、また新しい鬼を生み出されていきました。………
おしまい。
やがて憤懣の中においても私は声を上げなくなりました。
正誤の話しです。私は誤っています。
しかし相手方も、悪いとは思いませんか。
私のまだ定まっていない部分を突くのです。
プリンをフォークで突き刺すようなものです。
追い打ちをかけるように次々と決断を迫るのです。
そんな簡単なことすらできない私は、次第にうんざりとしてきました。
私は、誤っています。何も言わないのだから。
負けです。その時々において何を言えばいいのか分からなかった、私の。
私の中に渦巻いていた真っ黒い複雑、
そして相手と私との間に起こったわずかでありながら決定的なずれが、
私の黒い過去を象徴してやまないのです。
彼らと離れた現在でも私はそれに囚われています。
一生つき纏うでしょう。
しかしこれは、半ば仕方のないこと。
私が一軒隣の家にでも生まれていればこうではなかった。
とにもかくにも、私は自分を守るために硬直という方法をとった、
というだけのことです。
これがどんなに苦しい結末を呼んだのか、
いやそればかりが原因ではないのですが
それでもそのことが私に何か一般とは違う決定的な価値観を埋め込んだことは確かです。
苦しんでいる、というよりはそう停滞と錯覚させられている現状において、
彼らはまたこう嘯くのです。
私が間違っている、と。
そのとき私はどう思うのか。
現在の私をおざなりにしてしまうのがとても怖い。
私は確かに進んでいるはずなのに
過去と私の性格ゆえに、精神面において全くの前進を許してくれない。
おかげで私は外皮に厚く、内面において不安定な流動的物質という二面性を兼ね備えるまでに至ったのです。
彼らに。
私は彼らに立ち向かうことができるのか。
それはつまり、ただ一つの言葉を抽出し出力できるのか。
私の価値観を捨て去ることができるのか、ということにかかっていると思います。
要は面と向かって「馬鹿だ」と言えればオールクリアなのですが。
あいにくと現在、会う予定は立っておりません。
会わなければ会わないに越したことはありません。
実は前世から運命でしたなんて
平安の頃から恋人だったとか
そんなことってないかしら
そしたら貴方が死んでも私が死んでも
いつかまた恋ができるでしょう
いずれまた愛し合えるでしょう
家に帰ってきて制服のポケットを見たら、
桜の花びらが一枚入っていた
風が強かったから入ったのかな?