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憧れと独白と傾聴とその先 #9

「中学校生活始まってから初めての定期テストだったんだ。部活が再開して、成績表が返ってきて、学年順位が出たあたりだったかな。みんなやり始めるんだよね、何位だった?って」
「やりますね……今だから思いますけど、あんなことしてもしょうがないのに」
「それが意欲に繋がるのならいいんじゃない?」
 苦笑しつつ返す。
「先輩が、テストどうだったって。聞いてきたのは2年生の先輩だったんだけどね。まあまでしたって答えたんだけど、何位だった?って追い打ちかけられちゃって。11位でしたって答えたんだけど」
「学年全員で何人でしたか?」
「200人くらいだったかな」
「先輩、やっぱりやりますね。すごいです」
「ありがとう。そのころはまだ、ね。先輩にもすごいって言ってもらえたし、私もそこそこ褒められていい成績だと思ってたから、例の先輩にもすごいって言ってもらえるものだと思っていたんだけどね」
「言って、もらえなかったんですか」

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カケガエ

街中で降り注ぐ 雨あられ
それでも人は出会っては別れる
流れ 流され 肩で息
行き着く先に草木 騙れ日々
明ける日に なだらかなアクションと
無理のない 生活 スローモーションを
夢見ながらイソギアシ 息切らしてまた
始めようか そんなブランニューデイ

カケガエノナイ日々がまた過ぎ去った
ハテナイタビジニ ほら虹かかった
カケガエノナイ君がまた拭いさった
カレナイナミダが 明日への切符だ

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奥山に

ほんとはすぐにでも
舞って飛び上がってしまいそうだった
でも君がぎゅって腕を掴んで幸せくれたから
君の元で笑えた
ひとりじゃなかった孤独が消えてた
臆病で必死に逃げてる私を笑うの
そしたら私も楽しくなるの
思い出を全部拾って歩いた
思い出を延々と語って笑った
美味しいもの食べた
名前を見つけた
足がひりひりするくらい痛くても疲れなくて
笑顔の更新をずっとしてた
これが幸せって言うんだねって
君の前、君の横を歩きながら
にやけながら
私そんなこと考えてた

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伝わりにくいこともあるけれど、やっぱり文字がすき。

絵や音楽のようにたくさんの人が触れるものではないけれど、
これまで私に反応してくれたあなたへ。
これから私に反応してくれる君へ。


『おっ、何か伝わった?……嬉しいな。』

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いつもの…

いつもの「おはよう」なら
口だけ動かして
いつものプレイリストなら
耳だけ聴かせて
もうすっかり季節が変わったことに
いつから気づかなくなったのだろう

イヤホンを外せば
風の声が聞こえて
季節の旋律がわかったよ

いつもの帰り道なら
スマホだけ見つめて
いつものやり取りなら
適当に流して
もうすっかり君の心が変わったことに
いつから気づかなくなったのだろう

君の手を握れば
少し冷たくて
二人の温度がわかった

もう戻らないことがわかったよ

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見て見ぬふり

何にも気付かず見ようともしない呑気な奴より、たとえ何も出来なかったとしても見るということができた人間の方がずっと良い人間だと思う。

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最後の「   」に文章を入れて、完成させてください。

「人の不幸を願っている時点でお前は地獄に落ちている。なぜなら、人の不幸を願うということは人の不幸を喜べる人間であるということだからだ。
 人を攻撃してくるような人間は人の気持ちや立場のわからない不幸な人間なのだ。やり返してしまったらそいつと同じ、人の気持ちや立場のわからない不幸な人間ということになってしまう」
「ただ金持ちであり続けるためだけに、この世の地獄を作り出している人たちがいる。きれいごとを言うつもりはないが、自分は人間としての一線を越えてまで金が欲しいとは思わない」
「頭で考えた論理だけではカバーできない問題はたくさんある。俺はただ、人間の作り出した問題は人間が解決するしかないと思っている」
「人間とほかの動物の違いは欲望に果てがないことだ」
「          」

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にこっとわらって

日が暮れて
ヤシの木がはちみつ色に染まって
遠くでベルが鳴ったとたん
あなたは行ってしまう

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ぎゅっ

澄み渡る秋晴れの空
ひらひら舞う落葉
楽しげな笑い声
この世の中に
こんなにも幸せって言葉が
似合う瞬間があるのかと
驚く私を見て
君はまた楽しそうに笑う
すべてが夢の様で
いつか手のひらから
零れ落ちてしまいそう
今ある幸せの瞬間を抱きしめた