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名脇役

誰しもが自分の人生の主人公って言うけれど
僕の人生はドラマにも映画にもならない
いつだって僕は誰かの人生の
脇役でしかない
それでも僕の叫ぶ声援が僕の募金した1円が
誰かの救いになるのならそれでいい
僕は誰かの人生の名脇役でありたい

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憧れと独白と傾聴とその先 #12

「先輩と、部活とは全然関係ないことも話すようになったってさっき言ったよね。先輩、彼女についても話すようになったんだ。あんまり教えてくれるから、私も詳しくなっちゃった」
 背が小さくて、顔も整った可愛い人でね。1回だけお話しする機会があったんだけど、優しくてはきはきしている人だったな。生徒会の副会長で、もちろん勉強もできる人だった。運動部だったから、スポーツもできたんだろうな。この人も文武両道なマンガみたいな人だね。今思い出してもお似合いだったんだろうなあ……さすがに今は違うかもしれないけれど、結局私が入学してから先輩が卒業するまでお付き合いは続いていたみたいだし、すごいよね。
「本当に詳しいですね」
 今度は涼花が苦笑している。
「当時は、けんか事情まで把握していたからね」
 くすくすと笑ってみせる。それもきっと、ほんの一部だったのだろうなと思いながら。
「それだけ先輩が話してくれるようになったってことなんだろうけど」
「酷な話ですね」
 涼花が、ふとそんなことを言う。