本当に、爪の美しい人でした。
お世辞にも美人とは言い難い人で
日に焼けて茶色がかった髪も
艶なんてありませんでしたが
爪だけは白く光っていました。
あかぎれに絆創膏を貼った
腫れぼったい短い指の先で
静かに特等席に腰掛けている
白い爪は
醜い戦場に降り注ぐ美しい粉雪のように
より一層輝きを増すのでした。
駅のホームの寂れたベンチで
絵の具のついた手に筆を握り
画用紙に私を描き上げてくれました。
その時
ふと気がついたのです。
貴女はこんなにも
目が美しい人でしたか。
ふしぎな夢をみたの。
実在しない鉄道で架空の学校に通うゆめ…
しらない車輌の二階にのって、慣れない鉄路に揺られるのが眠たくて、ねむたくて膝から読みかけの本を取り落とすゆめ。
大人の事情って何?
それで子供が納得すると思う?
結局子供から逃げてんじゃん