表示件数
0

記憶室

何かを忘れているはずなのに
ちっとも思い出せないみたいに
こころのなか
大切なものは
鍵をかけておかなくちゃ
ぼくたちの生活はいつも
自転よりはやいから
ぐるぐるしてしまう
逃げていく悲しみの
後ろ姿が煌めくのは
きっともうぼくが
永遠になれないから

2

月と夜光虫

このまま溶けてしまいたいと願っても
神様はこの上なく意地悪で
たったひとつ僕の欲しいものだけくれないで
投げて寄越すどんな宝石もガラクタばかり
月光を反射した水面の下
息も出来ずに暗闇に足掻く
仄かに照らされた横顔の陰影に
爪先さえも触れることは叶わなくて
夜光蟲に纏われた世界
夜が明けてしまうのがどうしようもなく怖いんだ
朝になって何もかも忘れてしまうことが
ただ何もかも知らぬままにまた生きていくことが
夜が明けてしまえば僕はもう
きっと僕でなくなってしまうのだろう
その銀河を宿した瞳の向こう側
白い雨雫がひとつ落ちては消えた

0

なんかできた。(⚠無題)

青い星が降る夜に
いつもそばにいた貴方の声。
白い箱から流れては消えていく。
あの夜見た
しし座流星群のように。

青い星達がいつしか消えるとも知らずに、
ただただ眺めた十三の夜。
流れてくる貴方の声を、
信用できると感じた十四の夜。
頑張って練習した文化祭の合唱に、
努力は報われないと感じた十五の夜。
白い箱から永遠に流れると思っていた貴方の声で、
“永遠”は永遠ではないと悟った十六の夜。
のほほんと息をしているアイツに、
殺意を覚えたそんな夜もあった。
闇の中でさまよった夜ばかりだった。
貴方の声を聞くまでは。
貴方はどこのひとなのかしら。
私の夢に出てくるあの白い箱。
私の幻だったら良かったのに。

青い星が降る夜に
いつもそばにいた貴方の声。
白い箱から流れては消えていく。
あの夜見た
しし座流星群のように。

0

わかんないけどさ

しにたいっていう人に
しなないでなんて言える人間じゃないし
きえたい人に
じゃあきえればなんて言えないのは
私からするとだれもいなくなって欲しくないからなんだよ

0

わたしはさ

深くものを見たりそんなことが
できないからさ
私といる時だけでも心が楽になるような
そんな相手になりたいんだよ

0

好奇心は止められない

知りたい。自分は知りたい絶望も希望も
緋色も蒼色も紅紫も翡翠色も知りたい