「君は戻してほしい時間ってある?」
「は?誰?いきなり話しかけるとかレディに失礼だと思わないの?」「え〜知らないの?僕だよ僕。」
「わかった。」「えっ!知ってるの?!」
「ボクボク詐欺師だな!」
「違うよ〜、僕のどこが詐欺師にみえるのぉ〜?」
「空飛んでるところでしょ。」
「僕は時間を操る事ができる妖怪だよ!雲外鏡ってしってる?」「知ってるけど、それって鏡とか狸みたいな見た目なんでしょ?あんた思いっきり人間じゃん。それに戻したい時間って言ったけどさ、江戸時代とかに戻るんでしょ?どうせ。」
「失礼だな〜君は。先代の事をそんなふうに言うなんて♡ 僕は昨日にでも戻れるよ〜♡」「………本当に失礼だと思ってる?」
「うん。思ってるよ?僕は多分ね〜百代目かなぁ〜?」「私に聞かれてもわかんないし。」
「一代目の事は昔過ぎてわかんないんだよぉ〜!」
「で?その百代目が私になんの用?」
「だって戻してほしい時間があるんでしょ?」
「そりゃあ誰でもあるでょうね」
「だ、か、らぁ〜!僕が叶えに来たよ(-ω☆)キラリ」
「やっぱりボクボク詐欺師だな!」
「なんで信じないのかな〜、あっ!待って!行かないでよぉ〜!!」
あれから1週間が経ち……。 雲外鏡はまだいた。
「もう。わかったからさ。つきまとうのはやめてよ。授業も集中できないじゃない。」
「おっ!じゃあいつに戻りたいのか教えてくれるのぉ〜?」「しょうがないな〜」
「もったいぶらないではぁやぁくぅ〜!」
「3月31日!」
「えっ?そんな最近でいいの?」
「えっも何も、願いを叶えてくれるんでしょ?」
「うん。叶えるけどなんでその日なの?」
「それって言わなきゃだめ?」
「ううん。言わなくてもいいけど、ただ僕が気になっただけ。」 「秘密だよ。いつもと変わらない“当たり前”をもう一度味わいたいだけ。」
「?」「雲外鏡さんにはわからなくていいの!ほら!はっやっく!!!!!」
「じゃあ行くよぉ〜!!!!!3月31日へ〜レッツゴぉ〜!!!」
想い出は一瞬で生きるのが一生だとするなら
想い出を作ろう。彼女とのいろんな一瞬を。
それをたとえ忘れたとしても忘れない様に
この身に刻み込もう。
人生が一生で想い出が一瞬だとするなら…
彼女との想い出を一生分作ろう。
例えそれが最後の日になったとしても
自分が泣き出さない様に今までの想い出で
心が満たされる様に。
全知全能の神ゼウスはふと思った。
「やべぇ、俺もう成長できねぇ」
限界とは全知全能なのかもしれない
いつかは知らないけれど
今度流れ星が降るらしい
息を飲むような美しさで
君の瞳を輝かせるらしい
いつかは知らないけれど
今度地震が起きるらしい
唸るような地割れの音が
君のほほを濡らすらしい
いつかは知らないけれど
街の灯りが消えるらしい
影さえ見えない暗闇の中
君の声だけが響くらしい
いつかは知らないけれど
君が僕の物になるらしい
必死に紡いだ僕の言葉が
君の笑顔をくれるらしい
いつかは知らないけれど
僕は消えてしまうらしい
無理に作った君の笑顔が
みんなの心を打つらしい
いつかは知らないけれど
これが本当になるらしい
そう言って強がるけれど
今日も僕はひとりだった