彼はどんどん成長して
身も心も大きくなりました
でも大人から見れば、まだまだ小さな子どもです
今日一日、彼はずっと外にいました
今までは教室の隅で
自分の時間を過ごしていた彼は
ようやく空の青さに気付きました
太陽が明るいことを知りました
近所の公園の青々とした緑
池の濁った水の色
直接の会話は出来ないけれど、
自分の心にぴったりなのは
自然だということに気付きました
それと同時に
この世の中の不自由さにも気付いてしまいました
周りからの目線
偏見
心の底にある固定概念
普通ってどういうこと
今までずっと子どもだと言われ続けて来た彼は
子どもなのだと思っていました
でも、心は大人なのかもしれない
普通ってないのかもしれない
大切なことに気付いた彼
上を見上げれば
どこまでも広がる青い空が
いつも誰かを照らす
明るい太陽が
あることを学んだ今日
ちょっぴり大人になったかな
小さな一人のお話。
俺は石
ただ冷たく硬い石
投げれば武器になり
きっかけ1つがあれば熱くなる焼き石にだってなる依頼と報酬があれば誰だって殺す 殺し屋だ
この世は嘘と悪にまみれている
俺はそんな世の中を潰す
1人の石として
あなたの残り香
優しいあなたの懐かしい香り
お部屋の木の香りと
畳の香りと
外から漂う、あなたの植えたお花の香り
そしてあなたの、いつも私を包んでくれた、
あなたの香りが残っている
私があなたに会うことは
もう2度と出来ないけれど
あなたの残したあなたのお部屋には
残り香がつまっている
趣味の物も今までの日記も
大切なものを残してくれたあなた
自分がいなくなる時のことを考えて
私達に言わずコツコツ準備していたあなた
どれもあなたらしい物ばかり
断捨離する物一つ一つに
あなたとの思い出がつまっている
物に頼らずに、心に思い出を刻んで捨てる
そんな時も、あなたの残り香が私を包み込む
もう会えないあなたの残り香
触れられない 見られない
あなたが最後に残してくれた
あなたの残り香
すぅっと息を吸って
あなたと心を通わせて
これからも、私を見ていてね
僕の周りは単純に出来てる
偶数と奇数
つまりはメインとその他だ
僕は常にその他を志願する
静かにその他になるのだ
それが1番平和で静かな自由を守れるから
決して目立つメインにも目立つその他にもならない
目立つメインはただ疲れる
目立つその他はメインのおもちゃにされる
僕はそんなのどっちもごめんだ
だから目立たずその他になる
誰よりもクレバーで陰であるべし
僕の持つ人生論だ
何者にもなる必要はない常に己であり続ければいい
楽だからね
自由を愛すならば
誰よりもクレバーで陰であるべきなんだ
ぐさりと突き刺す親指も
鮮紅に染めた心臓も
くだらないこの共依存ですら
青春とやらのせいにして
暗褐色の夜じゅわり蕩けて
先程から上手くできない息を、一緒に
微かに残る
貴方の良い香り
貴方の手の感覚
貴方の髪の質感
貴方の元気な声
貴方の全部、全部が欲しいの
こんなわがままでごめんね
昨日も今日もきっと明日も
僕は だめにんげん のまま
それなのに君は
どうして僕と歩いてくれるの
ごめんね
ありがとう
やっぱり、ごめんね
少しの可能性を信じて
君を幸せにするよ
どうあがいても無理かもしれない
でも僕はあきらめない
少しの可能性を掴むまで
嫉妬、じゃない
ただ
私が出来なかった
君を喜ばせることを
他の誰かがやってのけたのが
悔しいだけ
私を好きだった時間なんて
一瞬もなかったんじゃないかって
そんな風に疑うくらい
私には余裕なんてないんだから
水色を頬っぺたにつけた
きみが笑った
背中に回して隠した気持ち
気づかないフリは有罪かい
薄めすぎた青は
ふたりの背景
窮屈な額縁には似合わない
一筆描きの名画になる
窓の向こうには
果てしない空がある
窓の向こうには
まだ見ぬ世界がある
窓の向こうには
きれいな夕焼けがある
その窓をあけたら
気持ちの良い風があり
その窓の向こう側には
いつもの日常がある
いっしょうけんめい
いっしょうけんめい
腕を伸ばして
「ピンポーン 次 停まります」
ボタンが光って
「おせたぁ!」
にっこり笑う女の子
今日の夕方の、小さなできごと。
ここは 暗い うみの底
静かな 深い うみの底
暗くて 暗くて 真っ黒で 光一本 はいらない
寒くて 寒くて 冷たくて 針百本 ささるよう
そんなところの 岩のかげ
ゆめくらげたちが うまれます
闇の色に 染まった世界
孤独の波に 飲まれた世界
地球で最も 寂しいところ
そんなうみが 変わります
ゆめくらげたちが うまれるとき
何もない1日が終わってから
あの時のことを思い出すんだ
君ともう会えなくなってからも
幸せな日々をまた
寂しくないなんて嘘ついて
君といたいなんて言えなくて
それでもこの恋は終わらない
いつまで経っても君がいい
鍵のなくなった宝箱
思い出せなくなった記憶
逆さになって見上げた空
そんな物語をまだ覚えてる
その最後にはどれも君がいた
髪を結んだ。
するりと指の間を滑って
きゅっと。
靴を履いた。
慣れない革靴で
爪先をトンっと。
そして前を向いた。
風がスカートを揺らした。