☆彡
狭い部屋にひとりきり
☆ミ
窓をめいっぱい開けて
☆彡
漆黒の空に手を伸ばす
☆ミ
瞬きを見逃さぬように
☆彡
眠い目を擦って見開く
☆ミ
願いごとはただひとつ
☆彡
きみの隣に居たいだけ
☆ミ
きみも流れ星見たかな
☆彡
なんだか貯め込みすぎちゃって
溢れ出そうになったから
君のこの思いを伝えるよ
好きですなんて言いやしない
愛してるなんか言えやしない
ちゃちな言葉は使いたくない
ただこのあふれるものの正体を君に
伝えたい
暗い世界
取り付く島もないようなこの時代
こっちをぼーっと見つめるだけの未来
そんな運命なら消えちまえ
そう思ってたの
君に出会うたった今まで
今日わかったの
君と見る世界は美しい
この目で見る君はただただ美しい
少女の瞳は赤く染まってゆく
望んだ幸せは彼女の幸せと共に喰い滅びる
彼女の傍に降り積もる
沢山のアメたちが
彼女の幸せの象徴であり
敗れた望みの象徴だった
やさしいことばだけが
降りそそぐプラネタリウムに
僕を取り残してください
迷子センターから
僕のほんとうのなまえを
呼びかけないでください
「……いや、ちょっときついっす」
手伝ってほしいと真剣な面持ちの大賢者に頼まれたイツキは、すがすがしいほど高速で首を横に振った。思わず大賢者が大声で突っ込む。
「なんでだよ! 大賢者がわざわざ頼み込んでんだよ!? ほら君だって私からマジックアイテム貰ったんだからさあ、こういうときはどうすればいいか分かるだろ?」
「『分かるだろ?』じゃねえよ言い方恩着せがましいわ! てか事前にアポも取らずに乗り込んでくるとかお宅のキョーイクどうなってるんですか、キョーイク!」
こうなるともう売り言葉に買い言葉、沈静化に向かいつつあった両者の空気は一瞬にして再加熱し出した。
「仕方ねーだろ緊急性高くてアポ電で確認取ってる暇なんかなかったのこっちは! てかまだ手伝ってほしい内容すら言ってないのになんだその対応! もっと真摯に聞けよ!」
「うっせいきなり転移魔法で場の空気破壊しやがった挙句にふざけた態度ばっか取られてたら聞けるもんも聞けなくなるでしょーが! もうやだ一生手伝ってやらねーからな!」
「ちょっと軽いジョークいくつかぶっこんだだけでしょ!? しかも謝ったし! は? 謝ったんですけど!?」
「謝ったからって何なんだよ! なに、お子様対応でもすればいいの!? ”謝れたねー偉いねー”ってか!? んなもんできるかヴァ―……」
「お二人とも」
過熱しきって頂点を迎える前に呼び止めようとする声。凛として澄んだ声音は、しかし今だけ地獄のそこから這い出でるような緊張感をはらんでいる。
口喧嘩を止めて恐る恐る声の主を見れば、シオンがにっこりと笑んでこちらを見返していた。
「少し頭を冷やされてはいかが?」
顔は可憐に笑っていたが、薄く開いた目だけが笑っていない。
シオンの「さっさとしろ」オーラ全開の冷ややかな視線に二人とも何も言い返すことができず、その後の話の流れで(主にシオンが取り仕切った)結局イツキは大賢者たちを手伝うことになった。
***
お久しぶりです。#6更新です。
ついに大学に一歩も足を踏み入れないまま前期が終わりました。レポートがまだ二つほど終わってませんが締め切りがまだなので大丈夫でしょう←
シオンの圧に負け、イツキは結局お手伝いの話を飲むことに。イツキ君は不憫ですね。かわいそう。
ああ あっちの空は私からしたら太陽が名残惜しそうに
光のさよならを投げかけている
ああ あちら側は黄緑の光がぼんやりしていて
そちら側は夜でいる
ねぇねぇ太陽、もう少しそこにいて反対側にうつった光も消えちゃうから
夕日の名残と夜の間で手を広げて息を吸った
ほら 一番星見つけたこの夜は私好きだな
闇が深くなっていって空気が冷たくなって
息を吸ったら肺が凍る 冷気で身体中が凍えても
ずっと外で歌っていたいな 心は熱いな
見下さないと息ができない笑って誤魔化さないと前を見れない擦り傷ひとつで泣き喚いて君は悲劇の主演女優