君と駅までの帰り道
照れ隠しに出したスマホ
こんがらがって付いてきたイヤホン
「もうすぐ駅だよ、終わりだよ」
ささやくような夏のぬくい風
遠くで響く踏切のカンカン
ほどけないイヤホンに苦戦する私
そんな私を見てふんわり笑った君
そっとイヤホンを持って
私の前で少しずつほどく細い指
これがほどけたら
本当におしまいだよ
分かっているのに一言も話せない
だんだんイヤホンのもじゃもじゃが解けて
私のモヤモヤは広がってく
「そういえばさ、」
耳にかかった君の声
「僕に話したいことって、何?」
口を開いても声が出ない
耳をくすぐるぬくい風
視界の隅でほんのり染まった紫の空
夕日に照らされた君の顔
イヤホンが私の手に渡って
「んじゃ」
駅の改札へと向かう後ろ姿
「・・・待って」
「・・・ん?」
私は何を話すんだろう
きっと上手く話せるさ
夕日にさよならを告げて
私は君の元へ、いざ。
最近自分の中で、この掲示板で企画欲しいよね…欲しい…ってなってるんだが、じゃあ自分で何かやれば良いじゃない、みたいな意見も出てるんですよ。頭の中で。どうしよ?
何処かへ向かう
船の上、
ネオンの街に疲れた者の為の
船の上、
ただ広がる夢を見る者の為の
船の上、
星の存在を忘れてしまった者の為の
船の上、
夜の闇が恋しくなった者の為の
船の上、
輝き疲れた星達の眠る場所