4月1日
誰も踏み込んで来ない、誰にも踏み込まない
そんな私の望みを露程も知らない連中が私の平穏をぶち壊してくる
笑顔で、善意で、当然のように、
そろそろ逃げようかと思っていたある日神様は言い訳をくれたんだ、期限付きの言い訳を。
短期契約だったけどね
そして私は特別な奴になった、皆んなと同じ道を歩かないのに同じ格好をした奴、前倣え大好きな奴らにとって
私を集団から切り離す理由には十分過ぎた
そうして私は望んだ平穏を自由を手に入れた
けど、それは少し違った平穏に形を変える事になる
4月3日
夕方そろそろ家路につこうとして動き出した時だ
私は捨て猫を見つけた
いや、正確には人間だったけど
人間に対する怯えとと敵意を混じらせた視線で私を見る彼女を見て直ぐに思ったのが捨て猫の様という感想だったから
別に拾わなかったし関わるつもりも全然なかったから
無視して通り過ぎた
後の私の平穏のサプライズになる事を知らない頃の私の話
あー最後にどうしてですか?
大嫌い大嫌い
あいつ大嫌い
なんでこんな
大嫌い大嫌い
おまえら絶対
合同じゃんか
どうみたって
合同じゃんか
りょうへんも
その間の角度も
三組の辺の長さ
すごく面倒臭い
定規で測ったら
一緒でしたよ?
なんでお前らの合同を証明しなきゃいけないん?
よりによって最終問題
大嫌い、超意地悪。
あ、でも中間点ください
君からもらったプレゼント
全部捨てたよ
これで忘れたはずなのに
君のぬくもり
君の香水
キスの感触
感覚が忘れられないの
新しい人を見つけたら
上書きできるかな?
上書きできるよね?
綺麗ってなんですか
みんなが綺麗だって言うものも全部、グレーに見えた
みんなが綺麗だ、と眺める500色の色鉛筆もほとんど変わらない色で
黒板に描かれた文字も みんながくれた誕生日カードも 全部潰れて読めなくて
その時涙が流れてきた みんな勘違いをした 私は嬉しくて泣いてない
ただ読めなくて泣いている ただ悲しくて泣いている
私はみんなを騙してる 不意に私はそう思う
ただ苦しくて 逃げたくて そんな私は汚くて
逃げ場を求めて どこまでも どこまでもまた 逃げてゆく