あいつ、いつも笑ってるよな
へらへら、何が楽しいんだか
クラスで仲間外れにされても
友達がいなくても
人に裏切られても
いつも笑ってんだよね
へらへら、何か変なやつ
…少しだけ気になる
いや、別に心配してるとかじゃないけど
ただ単純な好奇心
なんでそんなに笑ってられるのか気になるだけ
気が付いたら、やたらとあいつが
視界に入るようになった
悪口言われてるあいつ
馬鹿にされてるあいつ
無視されてるあいつ
独りぼっちのあいつ
笑ってるのに泣きそうな顔の あいつ
…なんで笑ってんだ?
泣きたいなら泣けばいいのに
苦しいなら逃げればいいのに
泣きそうなのに、へらへら笑ってんだ
…変なやつ
みんなに優しい君が
時折寂しそうにする君が
人に隠れて泣く君が
つらそうに笑う君が
独りで生きようとする君が
嫌いだ、嫌いだ、大っ嫌いだ
そんなにつらいなら、苦しいなら
僕のこと、頼ってよ
もっと弱音を吐いてよ
そんな風に笑わないでよ
心配させてよ
大丈夫、ありがとうなんて、
どうして僕にまで嘘つくの
ねぇ、君のこと、本当は大好きなんだ
だから、そんな顔してほしくない
君には笑っててほしいんだ
幸せでいてほしいんだ
背負っている物が重いなら
僕にも半分、持たせてよ
それくらいなら、僕にだって
お安いご用さ
夜になったら涙を流す君は
夜に浮かぶ月みたいだね
夜が怖くて何も手につかない時は
夜空を思ってみる
優しさは万人には伝わらない
だからもう充分だよ
あなたにとって嫌なことが
その人の優しさだったかもしれない
君は
誰にも気付かれず
ぽつんと咲いているあの花のように
誰よりも優しくて
誰よりも傷つきやすくて
それでも隠れて涙を流すような
そんな人なんだ