短いほうが取れた時計
音が外れたオルゴール
毛玉まみれのセーター
君が履くべきパンプス
差し出す手を振り払う
悲しげに笑う僕の眼球
要らないもので溢れた
天涯孤独の天外魔境に
迷いこんだ君を連れて
天界へと行きたかった
そんな幻想に幻滅する
「命」が何より大事だと思うのなら
他人に縛られても尚、
生き続けること。
「夢」を大切にしたいと云うのなら
死に物狂いで
物狂って
掴み取ること。
世渡り上手なあの子は言った
「Smileを大事に!」
「happyを大事に!」
「大切を大事に。」
禁忌、というものがあるらしい。
触れることも見ることも許されない、見ることができないからそれであるかも分からないけど。
君もよく知っているだろう。侵してはならない領域。ほら、白雪姫はりんごを食べてはいけない。ラプンツェルは塔から降りてはならない。
法律とかではないよ。あれは人と人とのお約束事。
禁忌とはそうではない。多分、私やあなたの本質を揺るがすのだろう。
人間の本質を損なうのだろう。そうなのかもしれない。
そういうものだ。禁忌とは。
侵してはならない。
侵してはならないよ、その先に何が見えようとも。奇麗な空や、ほら、花園が広がっていようとも。見てはいけない。目を背けよう。
目を背けなければならないよ。変な気を起こさないように。教育だよ。私とあなたのため。
言った通り、私やあなたの大事な柱が揺らいでしまうから。
とにかく。いけないことをしてはいけないよ。当たり前のこと。
見てはいけない。踏み入ってはいけない。指の隙間から覗くのもいけない。惰弱な精神が邪魔をするだろう、そういうものだ。人間とは。
人間とは、そういうものだ。脆弱な。
人間は脆弱だが、だからこそ禁忌を忘れてはいけない。
忘れるな。
真っ当な人間は、決して禁忌を忘れない。
私もあなたも、真っ当でいるのが正しい。
正しいことを、人はするべきだ。
正しくないことをしてはいけない。
禁忌を侵してはならない。
これは鎖ではない。私とあなたを守る命綱だ。
あなたを守るためだ。
禁忌に対して触れたいとか見たいとか、絶対に考えてはいけない。
絶対だ。
分かったら、さあ。
正しいことをしようじゃないか。
生きることが嫌になった日
死にたくても生きる意味を思い知らされた日
偽善者ばっかりの世界の中で
不正解ばっか探してきた
死にたくても生きる理由に邪魔されて
偽善者ばっかりの世界の中で
不正解ばっか探してた僕は
正解の無い問題にぶつかった
ないものねだりの僕の心は
他人を疑い他を信じ
自分を疑い脅す
ないものねだりの君の心は
ないものねだりの僕の心には響くはずもなく
生きたっかった頃の自分はもうここにはいない
生きる意味を見つけた日
生きたいのに死ぬ意味ができた日
偽善者だった僕の心は
正解なってなかった僕の心に
正解をおいってった
ないものねだりの僕の心は
他人を信じたを疑い
自分を信じ脅かす
ないものねだりの君の心は
生きる意味を探してる
僕の心を知っている
生きたかった僕が生きる場所を見つけた日
あの頃の自分に手を振った
ないものねだりで閉じてた僕の心が
君の心で開いてく
君の言葉で開いてく
生きたかったあの頃の僕は
今も必死に生きている