目が合ったくせに逸らして
やっぱり後悔すると思って
低い声で放ったこんにちは
少し目を見開いた貴女から
無事返ってきたこんにちは
それだけが私の生きがいで
ああ私は今日も生きている
って大袈裟じゃなくて本当
そう実感しているんだけど
どうして驚いた顔をしたの
それが気になって仕方ない
相変わらずのマイナス思考
でもそうやってまた貴女の
ことを考える時間が特別で
今日もまた心で呟くよ好き
神さまのまぶたをすべり降りて
だれかの捨てた傘で雨宿りした日
ちぎれた靴紐もうまく使えた
まだ朝がやさしかったころ
きみがきらいだと言った歌をならべて
三等星のかけらをそうっとほどく
引っかいた右腕の内側
思い出せない涙に意味があっても
きみには関係のないことだよ
街のはずれの病院まで
散歩するような調子で来るなよ
ぼくを切りつけたナイフを掴んで
刃を折るような夢をみた
馴染みの野良猫のリズムとかくれんぼ
どうしてもゆるせない笑いかたがあるんだ
きみに送る手紙には書かなかったこと
生きているだけじゃすこし足りなくて
午睡のトーンできらめく棘にあこがれている
果てるのか? 止まるのか? 夢と現実の狭間で
朽ちるのか? 終わるのか? まだいい所なのに
心臓を揺らしながら 情景をなぞって恋焦がれる
電車に揺られながら 変わりゆく景色を眺めてる
懐かしいあれもこれも 全部持っていけるのかな
がらんどうの深層心理は 誰かが推し量れるのか
このラストラウンドで 赫い華が咲き乱れて散る
今宵誰も彼もが 永遠に諸行無常を疎みつづける
切ってもきれない関係性に 嫌気が差してきても
恨み続けるしか為す術がないなら 用は無いんだ
明けても暮れても 同じ日を繰り返すプログラム
嗚呼 昨日今日と代わり映えのない日々に花束を
甘いも酸いも味わってみないと わからないのに
俗世の人間は何処か知ったふりして 曖昧を享受
繰り返す波に揺られるプリズム 重力に翻弄され
なにも色を写さないわりには 色彩を吐きたがる
複雑にハーモニーをなして 不安げに転がってる
単純な心理も忘れ去られ 不満げに撒き散らした
その貧相な心情は 誰にも救えるものではないが
その心意気次第では 存外にどうにでもなるかも
果てるのか? 止まるのか? 正夢と悪夢の間で
朽ちるのか? 終わるのか? 死に花が咲く前に
落ちるのか? 拒むのか? 赫く濡れた手のまま
果てるのか? 止まるのか? 罪と義の境界線で