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緋い魔女(再掲) Act 3

「あ、ちょっと…」
屋敷の主人は思わず立ち上がって少女を止めようとしたが、少女は構わず歩き出す。
少女が向かう先には、奇妙な人影が立っていた。
…ぱっと見たところ、人影は少女と同じくらいの背丈だが、屋内なのに足元まである真っ黒な外套を着こんでいる。
外套についている頭巾で顔を隠しているのも相まって、豪奢な広間の中で”それ”は異質なものに見えた。
少女は人影の前まで来ると、後を追ってきた屋敷の主人の方を振り向く。
「こいつ…」
「えぇ、まぁ…知り合いから貰ったものなのですが…」
屋敷の主人は気まずそうに言う。
そう、と少女は呟くと、目の前の人影に向き直った。
そして、何を思ったかその頭巾に手を掛けた。
「…‼」
少女は一息に目の前の人影の頭巾を引き剥がした。
一瞬の内に、頭巾の下から少年とも少女ともつかない顔が現れた。
…”それ”は、突然の出来事に目を真ん丸にしている。
「…やっぱりね」
少女はニヤリと笑う。
「…こいつ、あの有名な魔術師―”ヴンダーリッヒ”の”使い魔”でしょう」
…はい、と屋敷の主人は小声で答える。

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ゆいごん。

どうか貴方の記憶の片隅にでも、
貴方を想うことが生き甲斐だった私を、
遺して頂ければと思うのです。












なんちゃって。
私なんて、君の視界に入ったこともないだろうけど。

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って。

もっと側にいられたらなって
ずっと見ていられたらなって
君のたった一人でありたいって

思ってる今の私もいつかきっと
こんな恋もしてたなって
笑われる過去の私になるんだろな。

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散歩

溜め息を音に変えて
こんな音も出るんだよ、
貴方が一緒に歩きだす
貴方の吐息で音が重なる
これ以上はなにもいらないから
ずっとそばに居る音で居て欲しいな。

Fine.

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月の屈折

キニクワナイキニクワナイキレイナダケジャ
キニクワナイキニクワナイアジノシナイアイ

朝起きる 君はもう何も照らせない
日の光 青い空 白い雲は君の天敵
色白い裸足 ホントに何から何まで月みたい

日の当たる世界 うずくまって
また今日も夜が来るから 踊れ
可哀想だなんて誰にも言わせない

照らせ 輝いては
足掻け 喚け こんな嫌な世界
照らしてやんないんだから
何度も何度も屈折して
そっぽ向いたふりをして
月は雨なんて降らせないから