強力な敵が現れた
キーボードは自ら作り出してしまった刺客か
敵にバフがかかったようだ
攻略への道を遠ざける
スタートしてしまえば良い
スタートさえしてしまえば攻略は容易い
昨日はあんなにも進んだ
脅威の集中力か楽しんでさえいた
スタートしたくない
時間は残されてはいない
だが残っていないこともない
この残り時間はなによりも最強の敵に違いない
最も人間の力を削ぐのだ
夏は良かった
時間は有り余っていた
もう一回あの夏に戻って
僕が触れたらただのワークさえ
すべて埋まって頭に入らないものか
ああ あの曲だ
心地の良いリズム
力が湧いてくる
前日の夜しか本気を出さないのはダメだと
今しか無いと
ペンを握る
敵を倒した
世界的に流通している分銅と釣り合いの取れるものを
私の持っているものの中から見繕うことができる
おおよそ同じ重さのものを持っているが
それはどうも材質が違うらしい
材質は違うけれど同じ重さのものを持っていて
それ以外は知らないし持っていない
それで私は重さしか分からないのだから
おおよそ同じものとしてもいいと思う
誰もどうやらそんな調子で
一つとして同じ材質のものはないようだ
皆それぞれ分銅と見比べて
大体同じ重さのものを持っていて
材質が違うことに戸惑いながらも
結局は「だいたい同じ」として
同じものとして区別する
それでは取引は楽だが
よく勘違いする人も多いが
そういうわけで
全く同じものを交換というわけにはいかないのだ
僕もあのビスケットみたいに消えてみたいな
こんなに叩かれ砕かれるくらいなら消えたって良いのにな
でもあの消えたビスケットも消えてなんかなかった
眠る勢いで死んでみたいな、消えてみたいよ
倒れる勢いで地球に呑まれたいな、呑んでくださいよ
地球様
「…?」
グレートヒェンの手の中にある魔石が、ぼんやりと光を放っている。
強い魔力に反応するように細工が為されているため、魔力の塊である使い魔に多少の反応を示すのはグレートヒェンも分かっていた。
だが、この光り方は明らかにすぐ側の使い魔よりも大きな魔力に対する反応である。
まさか…と思いつつグレートヒェンは振り向いた。
「‼︎」
背後にいたのは、半透明の狼のような巨大な獣…すなわち”精霊”だった。
「…」
精霊の金色の目と、グレートヒェンの目が合う。
やられる、そう悟ったグレートヒェンは叫んだ。
「ナツィ‼︎ 出ば…」
そう言いながらナツィがいる方を向いて、グレートヒェンは言葉を失った。
「…え?」
知らない間にナツィはグレートヒェンから少し離れた所にいる…というかその場から立ち去ろうとしている。
「…何?」
「何じゃないわよ」
ナツィの言葉に思わずグレートヒェンは突っ込んだ。
誰が揺り籠を揺らす?
変わらない身体を持てる?
堕ちた先にはなにがある?
誰が抱きとめてくれるというの?
思いが重いになる前に
貴方に投げなきゃ
吐かなきゃいけない気がするのは
掲示板、、、
掲示板、、、
何を書こうか、
頭の中で,
何を描こうか、、、
そう考えていると
ぺえ教頭の声がした。
「起立!」
考えてるうちに来る、23:55分、、、
悲しい
「なぁに手紙読んで泣いてんの」
後ろから声がした。
『え?小林くん…』
振り返ると、
”彼”がいつもの顔で私を見つめていた。
「いやだからさぁ、隼人でいいやん」
『hhhh...ハヤト』
「そーそー。んで、何で泣いてんの
僕からの手紙読んでさ」
『これってやっぱり、こ…ハヤトが書いたの?』
ノートに書かれた詩を示す。
「そう…って手紙に書いてたよな?僕」
あっさり肯定した。犯人はこの人だった。
『この日ってさ』
「うん」
『私とハヤトが』
「…うん」
『一年生の頃に、初めて隣になった日?』
夕日が私の影を伸ばす。
教室が紅く染まっていく。
まいったなぁ、と呟いて、
”彼”は頭をかいた。
しばらくしてその頭がこくりと動いた。
「覚えてたんや、そっか…」
【続く】
何があったんだろうな それを聞いた所で
君の答えには成れなかった
何が足りなかったとか何が必要無かったなんてさ
今でも分からないまま
それでも飲み込むしかないと知った
ただ君が幸せである様に そうあれたなら
少しでもそう思えていたなら良かったんだ
もういいさ もうだから いいよ