いつかの君を夢で見る
手に着くこともなくなるほどに
君を思えば、なんでもできる
君を思えば、なにもできない
聖夜の真実を
君はどう受け止めるか
それともその時に、
僕に勇気はあるのだろうか
すらりと伸びたその華奢な拳
添えられたお皿はあたしの口角
貴方の上機嫌な尻尾が私に向くのを見たいから
ちょっとリスクも好きになれるのね
どうしても忘れられないのは、
あの日見た夢のはずなのに、
生きていくほど薄まっていく。
生きれば、生きるほど、
私の中に意味のない水が溜まっていく。
夢は夜に溶けて、どこかへ行ってしまうのかな。
繊細なカットを繰り返された宝石
粉々に砕けたグラス
クレーターだらけの月
アステロイドベルト
御承知の通り
傷だらけの方が 人生は輝く
どうせ知らない人だし何を話してもいいや。
そういう気持ちが、少女には生まれていた。
彼の瞳や雰囲気が、少女の言葉を引き出した、ともいえるかもしれない。
「じゃあ、私と少し話そう」
彼は、少しだけ笑ってみせた。