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Daemonium Bellum:Angels Lapsus Ⅷ

「あ、ぼくが起こした大反乱まだ引きずってる?」
サタンにそう聞かれて、ラファエルは微妙な顔をする。
「…貴方さえいなければ、ルシファーはこんなことにならなかった」
「そうだね、でも仕方ない」
ぼくはこうして存在してしまってるんだし、とサタンは言う。
「むしろ今の状態の方が”あの子”も楽でいいんじゃないかな?」
天使長の仕事って重すぎるし~とサタンは笑った。
ラファエルは溜め息をついた。
「とりあえず、行くわよみーちゃん」
「…仕方ないわね」
ミカエルはそう言うと、サタンの方を向いた。
「ごめんね、仕事が入っちゃって」
「別にいいよー」
仕事優先だしね、とサタンは言った。
「んじゃまたねみーちゃん」
「ええ、また会いましょうサタン」
ルシファーにもよろしくと言うと、ミカエルは他の天使たちと共に空へ飛び立った。
ばいばーいとサタンはその姿を見送っていたが、不意に糸が切れたように倒れた。
アモンとベリアルは思わず駆け寄る。
「…う」
サタンはむくっと起き上がる。
「あれ、どうなった?」
わたしさっき気を失って…とサタン、もといルシファーは呟く。
「ミカエルなら帰ってったよ」
ベリアルはにこにこしながら言う。
「あ、そうなの」
ルシファーがそう言うと、ベリアルはそうだよ~と嬉しそうに答える。
「とりあえずぼすが無事でよかった!」
「うん、そっか…」
ベリアルの嬉しそうな顔に対し、ルシファーはちょっと寂しげな顔をする。
「ん、どうかしたの?」
やっぱりあのミカエルが恋しいの?とベリアルが訝しげな顔をする。
「そ、そんな訳ないけど…」
ルシファーは恥ずかし気にそっぽを向いた。
「ま、そんなことはいいから」
そろそろ帰る?とアモンが尋ねた。
「…そうだね」
そう言ってルシファーは立ち上がった。

〈おわり〉

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ハイタッチ後の右手

気になるアイツとハイタッチ
思ったより力が強くて手がびりびりしびれる
太陽を掴んだみたいに熱くなった、手のひら

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いつか恋を知って欲しいんだけど

思い出じゃない
失恋じゃない
青春だけじゃない
私だけじゃない

今だ
鮑だったって失わず
褪せない思い抱いちゃうの
貴方だっていつかは。

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賞味期限

「切れたって愛し続けるよ」っていうから
せめて一方的では居させて
良ければ受け入れて。

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無血悪魔戦争

スニップ・スナップ・スノーレム。
「おい天使ィ、お前8の札4枚持ちしてんだろ。ズリィなァ」
悪魔が細長い腕で天使を指しケタケタ笑う。
スニップ・スナップ・スノーレム。
「それがどうした?」
天使はそちらに目も向けず答える。
スニップ・スナップ・スノーレム。
「ンだよつまらねえ。もっとノッてこいよォ。そんなつまらない性格してっから万年人材不足なんじゃねえの?」
スニップ・スナップ・スノーレム。
「天使様、剣は使わないルールのはずですが」
場違いに混じる人間が言った時には、悪魔の片腕は既に斬り落とされていた。
スニップ・スナップ・スノーレム。
「イタカ様。しれっと場札からカードを抜き取ろうとしないでください」
「ゲェッ、バレた」
イタカと呼ばれた悪魔の腕を、人間がピシャリと叩く。
スニップ・スナップ・スノーレム。
「イタカ様、それは私の手札です」
「鮮やかなスリの技術だろう?」
「如何様はご法度と最初に申し上げたはずですが……」
スニップ・スナップ・スノーレム。
「……上がり」
「ゲェッ、堕天使ィ!」
「こいつ……注意が向かないように掛け声以外何も言わずに……!」
「堕天使様、おめでとうございます。今回のDaemonium Bellumは、堕天使様の勝利によって、悪魔天使ともに引き分けということで」