スニップ・スナップ・スノーレム。
「おい天使ィ、お前8の札4枚持ちしてんだろ。ズリィなァ」
悪魔が細長い腕で天使を指しケタケタ笑う。
スニップ・スナップ・スノーレム。
「それがどうした?」
天使はそちらに目も向けず答える。
スニップ・スナップ・スノーレム。
「ンだよつまらねえ。もっとノッてこいよォ。そんなつまらない性格してっから万年人材不足なんじゃねえの?」
スニップ・スナップ・スノーレム。
「天使様、剣は使わないルールのはずですが」
場違いに混じる人間が言った時には、悪魔の片腕は既に斬り落とされていた。
スニップ・スナップ・スノーレム。
「イタカ様。しれっと場札からカードを抜き取ろうとしないでください」
「ゲェッ、バレた」
イタカと呼ばれた悪魔の腕を、人間がピシャリと叩く。
スニップ・スナップ・スノーレム。
「イタカ様、それは私の手札です」
「鮮やかなスリの技術だろう?」
「如何様はご法度と最初に申し上げたはずですが……」
スニップ・スナップ・スノーレム。
「……上がり」
「ゲェッ、堕天使ィ!」
「こいつ……注意が向かないように掛け声以外何も言わずに……!」
「堕天使様、おめでとうございます。今回のDaemonium Bellumは、堕天使様の勝利によって、悪魔天使ともに引き分けということで」