「アレ?」
わたしが思わず尋ねると、師郎はこちらに目を向けた。
「あー、こっちの話」
お前さんに言っても仕方ないし、と師郎は言う。
「それにただの予想だし」
本人が言ってくれない限りは何とも、と師郎はネロの方を見る。
ネロはこの暑い中、耀平にくっつきながらアイスを食べていた。
「…さっきから何も喋らないよな、ネロ」
ミツルがぽつりと呟く。
「いや、こういう時ってネロはだんまりだから」
そう言って師郎は笑った。
「…じゃあ、私が彼女の思考を見抜いてみましょうか?」
不意に唯似が口を開いた。
突然の発言だったので、皆の視線が彼女に集まる。
「唯似?」
どういう事?とわたしは思わず尋ねる。