「ねぇ知ってる?」
カフェテリアでスマホをいじっていたメガネの女子大生の目の前に、突然1人の女子大生が座った。
「この大学のこんな噂」
女子学生はテーブルに肘をついて話し出す。
「文学部の建物には時々、謎のゴスロリ姿のコドモが現れるんだって」
女子学生は楽しそうに続ける。
「しかも10年位前から、全く歳を取ってないみたいなの」
不思議でしょう?と女子学生は笑う。
「しかもその子はとある教授の…」
「ちょっと待って」
メガネの女子大生は不意に話を止めた。
「アンタ何なの?」
メガネの女子大生は訝しげな目を向ける。
「見た所わたしの知り合いじゃなさそうだけど…」
メガネの女子大生がそう言うと、突然椅子に座って来た方の女子大生はふふふっと笑う。
「そうね、ワタシ達初対面だもんね」
あなたの言う通り、と女子学生は続ける。
朝になり、タイムリミット30分前に家を出る
「スタンド〜超えて打球は〜遥かな夢と続く〜ゆけ〜山田〜新たな時代を〜♪選ばれし猛者集う地で〜強く咲く大輪〜肥後より携えし力〜♪今こそ解き放て〜♪闘志燃やして攻めろよ〜♪投打に輝き放て〜♪勝利をこの手で掴み取れ〜♪」対戦相手のスワローズの有名どころの応援歌を歌いながら自転車で四谷を目指して爆走する
彼女と合流後、最初のバッティングセンター(新宿歌舞伎町)で打撃練習とストラックアウトをしようとするが、彼女は使い方が分からないそうで、俺がお手本として打ち、彼女にはネット裏でバッティングを見てもらう
「筑紫の女神が微笑む〜♪彼女を惚れさす一振り〜♪確かに当てろ〜♪ぶちかませ〜」と彼女にも聞こえる大きさでスワローズでかつて活躍した選手の応援歌を替え歌して口ずさみながら打つと、いきなりヒット級の当たりが連発する
彼女が「お前の出番ゆくぞ〜♪敵を打ち砕け〜♪巨人に勝利の旋風巻き起こせよ-♪」と汎用テーマを歌っている
それを聞いてやる気になり、俺はチャンテ「勝ち取れ」を口ずさみ、ど真ん中に甘く入った最後の一球を仕留めてアーチを描く
「凄いね。最後の最後でホームランなんて。次は私の番ね」そう言って彼女が笑顔で話しかけてくる「小学生の頃遊びでやった野球以来、バッセンでは初めてだよ。さあ、行ってこい。俺はストラックアウトして来るから」と返して別のコーナーへ行く
「今はお付き合いできているけど、将来的に胸を張って堂々とあの娘の隣に立てるカッコいい旦那になるには今みたいなノーコンじゃいられないな」そう呟き、自慢の直球を投げ込みまくる
そのようにして2箇所目(神宮)のバッセンも巡り、3箇所目(東京ドームシティ内)に行く前に後楽園名物大観覧車に乗り込む
観覧車を降りて10分後、俺達の席の最寄りゲートに着いた
さあ、いよいよプレイボールだ
大事な人の病気が治らないこと、身体に無理をしないでほしいとおもうこと、私が貴方との線を越えず、私の心配がその線を越え貴方にのしかからないこと、貴方の命を自然に宿すこと、私は祈りを介し近くと遠くを行き来する蝋燭の灯りで在ること。貴方の暗さを淡く灯すこと。そして、いつか消えること。
貴方の生まれ変わりは私なのですが
たとえ人々に対して行き場の無い怒りを抱えていたとしても
それでも貴方がしてきたことは紛れもなく正しいのです
私では力不足かもしれませんが
それでも貴方がなさってきたなにかは
受け継がれていきます
*ぺえ教頭が夢でキリストを復活させてました
現実に目を向けたくない。
けど、きっと後で後悔すると思う。
今しか出来ないことだから、
1日、1秒を噛みしめる。
彼女はホテルの前で、俺は実家の前でそれぞれ下車してから暫くすると、彼女から電話がかかって来るまずは彼女から一言「明日、空いてる?空いてるなら貴方に明日の予定任せようと思うんだけど」 「空いてるよ。バッセンでもどう?」「バッセンって?」「結構楽しく体動かせる施設さ。そっちから1番近いのは神宮の所だね」一連のやり取りでそう言うと想定外の質問が飛んでくる
「神宮に何かあるの?」「いっぱいあるじゃん。映画『君の名は。』で登場した施設の一つは神宮にあるよ。君と付き合う前に君のことほったらかしにして野球の試合で熱くなった時あったでしょ?あの時に観てた試合会場だったのもその中の球場だし、オリパラ東京大会で有名になった国立競技場もその前のラグビーW杯で有名な秩父宮ラグビー場もある。東京のスポーツの聖地の一つとも言える場所なんだ」と返すと「じゃあ、その後球場で試合観ない?東京シリーズみたいなんだけど」「まず、球場確認しないとね。明日は文京区だってさ」「文京区?何があるの?」「文京区は小石川!小石川といえば東京ドーム!人生の基本でしょ?」「セリフパクったよね?と言うか、東京ドーム?遊園地もあるんでしょ?行きたい!」そう言って彼女が喜んでるのを聞いて「歌舞伎町、神宮、スポドリでハシゴして観覧車乗って試合見れば良いな。よし、プランは大体固まったけど、チケットどうする?」「ネットで取れそうよ。ライトスタンドやね。え?もう明日のプラン決まったの?」「決まったよ。バッセンでガッツリ体動かせるお楽しみコースさ。明日迎えに行くよ」そう告げて電話を切ると、早速錆止めスプレーを用意して自転車を見に行く
「錆止めよし、ブレーキ良し。空気圧も良いな。あの娘のホテルの場所も分かってるし、迎えに行く30分前に出れば良いかな」待ち遠しくて思わず独り言が飛び出る
自転車整備しながら懐かしい曲をかけていると地元近くの高層ビルやタワーを背に西日が輝いている
「明日の準備はこれでよし。応援バットとタオル持っていけば良いけど、またあのフリップ見せつけられるんだろうなぁ…」そう言ってベランダに出ると数多の飛行機が列を成して東京湾に向け飛んでいるのが見える
「副都心近郊のタマワンやビル群のネオンと飛行機の光、やっぱり綺麗だな」そう言って恋が実る前のことを思い出し、物思いに耽って紅茶を淹れる
夜風と紅茶の相性は最高だ
好きを見つけたら嫌いが出てくる。
嫌いを見つけたら、やっぱり嫌いが出てくる。
どうせ嫌いに行き着くのだから
せめて初めは好きで居よう。