精霊達は即座にそれを避けるが、黒い翼を生やしたナツィは空中で方向転換し精霊に斬りかかった。
「=^{${>]$€*]*]>‼︎」
精霊が1体、鎌の斬撃で消滅する。
「…あと3体」
ナツィはポツリと呟いてまた斬りかかる。
「$]$|>|%]^|*|*]+_•[^‼︎」
精霊達はまたそれを避ける。
「ッ‼︎」
精霊達は口から火球を吐いて応戦する。
ナツィはそれを避けながら建物の塔屋の陰に隠れた。
「面倒な…」
そう言いながら次はどう動くか考えていると、ふと背後に気配を感じた。
「?」
思わず振り向くと、そこには精霊がいたー
凛と背を正したまんまで
目を閉じ長い息を吐く
そして机上の白紙を捲る音で
氷も溶けてぬるくなった世界を飲み干す
僕の心臓の暗証番号を教えます
第三者に教えても構いません
「 79138714 」です
どうか無理矢理こじ開けて連れ出してよ
明日だけが望みだと言ってたのにな
ここは少なくとも旧世界じゃないけれど
新世界ではないよな
それじゃあ君はどうする???
「突っ立って見てる
突っ立って見てることにするよ。
この安全地帯から、
息もできないこの安全地帯から、
誰かが吐く汚れた言葉を
吸って生きてる君の世界を見てるよ」
そんなの僕は嫌
点と線を歪めた眼で
君の閉じた目と白い言葉を見つめる
それは居心地が良いけど
何とも言えずに僕はあくびをした
君の小さな口からはみ出した、
ゴシック体みたいに角の尖った言葉が
ほんの少しだけ怖かった
誰もが欲しいと願うものといえば?
……お金? あーうん、そうかもね。
権力? そういうのもまあ、あるかもね。
そうじゃなくって! もっとこう、夢と浪漫に溢れた、こう、あるでしょ!
そう! 『不老不死』! 永遠の命!
こちらのひつじさんを見てもらえれば分かると思うんだけど、ほら、ね? 素敵だと思わない? ちょーっと首を貸してもらえれば、それで良いんだけど……。
どう? やってみる?
ああ、そうそう。ちょっと遅いかもしれないけど。
私が呪文を唱えなきゃ、ただ首が煮えるだけってのは言ってたっけ?
3人仲良く談笑しながら歩くが、彼女が真剣な表情で「あんなに可愛い元カノと婚約の話まで出てたんでしょ?それなのに、どうして私を選んでくれたの?」と訊き高雄の仲間も「俺達も気になってるんだ。松山組の所にハリコフの娘、同じ頃高雄にロシアの3人来て、俺達も理由が分からなくて『ヨーロッパで鉄道旅してる本人に会って訊いてくれ。今から航空券取って1番早いのに乗ればパリにいる時に追いつく』って返しちまったんだよ」と言う
「それで4人ともフランスに…分かった、話すよ。俺のバックグラウンドが影響してるんだ。それで、君達は俺が幼少期から何に憧れてるか知ってるかな?それが答えみたいなもんさ」と返すと真っ先に「君は東京で生まれ育ったけど、お母さんのルーツは東京はおろか日本にないから三代揃って東京生まれの東京育ちという江戸っ子の定義から外れてることがコンプレックスで本当の江戸っ子に憧れてたんだろ?それは君が彼女さんいない時の会話で分かるよ。多摩弁を早口にしたような江戸っ子の訛りか丸出しじゃねえか」と求めてた答えを全て仲間が言ってくれたので「元カノ達と別れたのは他の人からすれば些細なことかもしんないけど、俺からすればめちゃくちゃイヤなこと言われたからなんだ」と言うと仲間が「江戸っ子の言葉は早口だから『ゆっくり話して』とか『君の日本語聞き取れないから英語に変えて』って言われて傷付いたんだろ?」と訊き俺が黙って頷くと彼女は「そんなことで?」と驚くがその後に仲間の補足を聴いて納得してくれた
「バックグラウンドも含めて『自分を理解して受け入れ、かつ大切にしてくれる人と付き合いたい』、か…君らしいな」という仲間の一言に頷き、「それは俺がずっと求めてきた理想のパートナー像だったんだ。言葉は悪いけどその前提として、ある程度の知識が身に付いた人であって欲しかったんだけど、元カノ達は肝心の知識が俺の求めるレベルに達していないのに愛情だけ重くて気持ち悪かった。でも、君は俺の理想通りのパートナーさ。だから、君を選んだと言えば納得してくれるかな?」と彼女に問いかけると「私を大切にしてくれるのは嬉しいんだけど、なんで私の身近な西日本の話題出さないの?」と訊き返されたので「プロ野球で巨人ファンの心を抉る事件の数々が西日本絡みだから」と答えるとさっきまでの重い話題から笑い話となり、花の15区の夜は更に更けて行く