表示件数
0

昨日の鞄は左手で持った

ようやく昨日が解けた
ずっと昨年のことを思い出していた

君は笑っていた 続くと思ってた
信じて疑わなかった それも愛だった

鼓動が早まるのは左の熱のせいだった
今の孤独は左の疎のせいだろうか


友達と話すときも 授業を受けるときも
昨日は心のどこかにあの笑顔があった

まっすぐで眩しかった 目に焼きつけた
幸せが溢れていた それが恋だった


昨日は雪が降った
それでも昨年のことを思い出していた

晴れていた 通学路は短かった
私も笑っていた そして見つめ合った
照れた 右手にはプレゼントがあった


心の歩幅がずれていることに気づかずに。




そんなものだった。
悔いることはしないけれど
まだまだ見つめていたい と思った
捨てられない 忘れたくない

昨日の雪は昨年の後悔に見えた

0

秘密のお茶会

ラジオから鳴る深夜0時の音色。
小さくて可愛い机を出して、
小さくて可愛い椅子で机を囲むように座って
小さくて可愛いカップにココアを注いで
小さくて可愛い友達とのお茶会を始める。
瞳がボタンのもこもこの彼は
みんなのココアにマシュマロをのせて
ふふふ、と鈴のように笑っている。
「今日も1日おつかれさまぁ」と
間延びした声で話すうさ耳の彼女は
にこにこ、と自慢のしっぽを揺らして笑う。
3人だけの秘密のお茶会。
夢への入り口、明日への扉。
マシュマロ入りのココアを飲んだら
朝はもうすぐ、訪れる。