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ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 番外編 ある放課後 ①

何曜日であろうと、放課後は解放感に満ちている。
長い授業という拘束時間を超え、部活やその他諸々に興じる時間は普通の人にとっては楽しいのかもしれない。
しかし自分にとっては違う。
放課後も、かなり退屈なものだった。
と言うのも、そもそも自分には学校に友達らしい友達がいないのだ。
…放課後は基本的にやる事がない。
一応学校の高速で部活に入っているのだが、あまり興味がないためたまにしか部活に顔を出していない。
そのため、普段の放課後は真っ直ぐ家に帰るのが自分の日常だった。
今日もいつものように自分は家路に就こうとしていた。
「…」
普段通り校門を出た所で、不意に左から腕を掴まれた。
ふと左を見ると、私服姿の見慣れた小柄な少女がそこに立っていた。
「…」
何の用だろ、と自分は思いながら腕を振り解こうとするが、少女はその手に力を入れる。
「…何」
尋ねると、少女は静かに顔を上げた。
「…来て」
少女はポツリと呟いた。

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ねがいごと

おはよう、って言って
笑い合って
また明日、って言って
手を振って
そんな代わり映えのしない毎日が
何処にでもありそうなこの日々が
ささやかなこの幸せが
ずっと続くことを願ってる。