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華火造物茶会 Act 7

ナツィがはぐれたキヲンを探し出して暫く。
ナツィは人混みの中を確かな足取りで歩いていた。
と言うのも、その場に残る魔力を感じ取ることができれば人工精霊の捜索は簡単だからだ。
ナツィのような強力な人工精霊なら、不特定多数が行き交う人混みでもはぐれた仲間を探し出すのは容易だった。
「…」
人混みを掻き分けて進むナツィはふと足を止めた。
ナツィの目線の先にはスーパーボールの屋台の前にしゃがみ込む金髪のコドモがいた。
「…おい」
ナツィが金髪のコドモに近付いてそう声をかけると、金髪のコドモはくるっと振り向いた。
「あ、ナツィ」
「あじゃねーよ」
探したぞ、とナツィは呆れた顔をする。
「勝手に俺から離れるんじゃねぇ」
ナツィがそう言うと、キヲンはえへへへへと立ち上がる。
「だって面白そーなもの見つけちゃったんだもん」
そう言ってキヲンは屋台に目を向ける。
そこには色とりどりのスーパーボールが入ったビニールプールが置かれていた。