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櫻夜造物茶会 Act 13

思わず自分の身体を見ると、桜色の蔓のようなモノで縛られている。
「マスター達の取引を邪魔されたくないの」
お帰り下さる?と髪の一部を蔓に変えた少女は首を傾げる。
「人工精霊か!」
気をつけろ!と魔術師の1人が叫ぶ。
「あら、抵抗するの?」
じゃあ仕方ないわ!と人工精霊は蔓に変化させた髪を伸ばして他の魔術師に襲いかからせる。
「サクラの蔓の餌食になりなさい‼︎」
人工精霊は笑いながらそう言った。
「散開!」
「援護を頼む!」
動ける魔術師2人はそう言って散開する。
「…出番か」
近くの建物の上で座り込んでいたナツィはそう言って立ち上がる。
そして背中に黒い翼を生やして飛び立った。
一方魔術師達は魔力式の銃を撃つことで猛攻を続ける人工精霊に応戦していた。

3

思い出

時は過ぎる
いつか忘れ、物だけが残る
時は過ぎる
いつか朽ち果て、記憶だけが残る

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8/12

ダージリンを淹れた夜
カップから立つ湯気は
空気にすっと溶けてった
少し経てば冷めてしまう
そんな関係はシンクに流して
あの日に見た夕焼けは
もう戻れないな、きっと。

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8/12

ふたりで眺めたあの空も
笑いあった放課後も
カップから立つ湯気のように
儚く空気に溶けてった
紅茶みたいに直ぐ冷める
関係なんぞは望んでないのに
木枯らしは無情ね
全てを冷ましてしまうから