飄々と
へっちゃらなふり
すっきりしたと思いこみ
時間が
慣れが
解決すると思いこみ
意外と大きかった
いつの間にか
いやなことも楽しいこともどうでもいいことも
ぜーんぶ出してた
ずっと好きだった
ま変わらないけど
一瞬タンマ
ちょっとがんばるわ
「おーいピスケスー」
今どうなって…と露夏も駆け寄って来る。
「って、なんだよきーちゃんとかすみもいたのか」
意外な人物に気付いて露夏は驚く。
「勝手について来たみたいよ」
「げっ、マジかよ」
ピスケスに言われて、露夏は思わず後ずさる。
「お前ら、なーんでこんな所まで来ちゃったんだよ」
おまいらコドモが来る所じゃないってのに、と露夏はキヲンの顔を覗き込む。
「えー露夏ちゃんだってコドモじゃーん」
「おれに比べればって意味ですー」
全く…と露夏は呆れた顔をした。
「まぁまぁとにかく」
ここでピスケスが手を叩いて皆の注意を引きつける。
「ここで喋っている余裕はないわ」
アイツをご覧なさい、とピスケスは視線を建物の方に向ける。
もしも彼奴にあの時ついていかなければ
もしも彼奴にあの時声を掛けなければ
もしも彼奴にあの時気付かなければ
もしも彼奴とあの時道ですれ違わなければ
そして
そうだったことに気づかなければ。
そんな「もしも」だらけの世界で、僕らは今日も息をしている。