とある喫茶店の2階の物置にて。
物置ではちょっと不思議な雰囲気のコドモたちがそれぞれ違う飲み物を片手に談笑している。
…と、ガチャリと物置の扉が開いた。
「あ」
物置の中のコドモの1人、金髪で額に角の生えたキヲンが扉を開けた人物に気付き声を上げる。
「ナツィ!」
キヲンはそのまま立ち上がるとナツィと呼んだゴスファッションのコドモに飛び付いた。
「ちょっ」
ナツィは急に抱きつかれてよろけるが、すぐに体勢を立て直す。
「テメェなにすんだよ」
ナツィは嫌そうに呟くが、キヲンはえへへ〜とナツィにすりすりする。
「ちょうどいい所に来てくれたねナツィ」
物置のテーブルを囲む椅子に座っていたエプロン姿のコドモ、かすみが立ち上がりながらそう言う。
「?」
ちょうどいい所って…とナツィは不思議そうな顔をする。
「あのね、今度ここで“くりすますぱーてぃー”ってのをやろうと思ってるの!」
キヲンの言葉に対し、ナツィははぁ、と答える。
「こうしてきーちゃんたちがここに集まるようになってから初めてのクリスマスでしょ」
だからせっかくだからパーティーしようよって、きーちゃんがとかすみは微笑む。
「ね、いーでしょ?」
ピスケスや露夏ちゃんもやりたいって言ってるし、とキヲンはナツィに顔を近付ける。
「みんなでわいわい…」
「断る」
キヲンの言葉を遮るようなナツィの声に、キヲンはへ?と拍子抜けする。
「6ー3で大東参賀高校の勝ちです、げぃむっ!!!」
「あざしたっ!」
よっしゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!アルプスの大歓声。きらめく吹奏楽の数々。高校野球で夏の頂点に立った、俺たち。やっと、次は俺らの代か。
俺たちの代なら先輩たちがなしえなかった、秋、春、夏の三連覇をできる。超えられる。俺らは常勝の大東参賀でも特に期待される世代だ。まけるはずがない。俺はピッチャー小宮山隼人。この大会でも先輩たちに負けず、先発入りしてきた。スカウトも見守る中で投げ、今大会のポジションごとの最優秀選手を決める、ベスト9にも選出された。俺以外にも2年生には、相棒でキャッチャーの橋爪大樹。強打の長距離ヒッター橋本通。必ずバットに当てる田中総士、中継ぎ投手の垣間がいる。
「徳錠スポーツです!小宮山投手、来年への意気込みをお願いします!」
(は?俺らが優勝に決まっとるやろ。聞くまでもない質問や。とりまテンプレ読むか。)
「来年も先輩方に追いつけるように頑張ります!」また、戻ってくると思って甲子園の土に名残惜しさもなく、さっさとロッカールームへ向かった
このたび、先輩方からの温かいコメントや素晴らしい作品から連載することを決定し、題名も決めました!常勝たちのダイヤモンド。ダイヤモンドは野球のグランドの別名であり、野球の話です!常勝という勝って当たり前と、周りから思われる高校生のプレッシャーと、宿命を背負って甲子園を目指すストーリーです!!不定期連載ですができるだけ、定期的に出したいと思うので、見ていただけると嬉しいです!