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ピッタリ十数字

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  〇 < さよなら
  ⒗⒓

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少年少女色彩都市 act 3

リプリゼントル、エベルソルを倒すことができる唯一無二の少年少女戦士。噂には聞いていたけれど、本当に実在するなんて。
叶絵はそう心の中で呟きながら朝の住宅街を駆けていく。街の住民たちは突如現れたエベルソルに騒然となっており、慌てて家を飛び出した人々が着の身着のまま避難を始めている。その様子を横目に、叶絵は走っていった。
しかし自宅からいくつめかの十字路にさしかかった所で、角から現れた少年にぶつかりそうになり叶絵は立ち止まろうとした。しかし叶絵はつんのめり転んでしまった。
「おっと」
対して少年はそこまで驚くことなく立ち止まった。
「大丈夫?」
高校生くらいに見える少年は叶絵に手を差し伸べる。叶絵は、あ、ありがとうございます…と彼の手を取り立ち上がった。
「どうしたんだい?」
こんな朝早くにそんな格好で、と少年が叶絵にふと尋ねる。そう言われて叶絵は自分の服を見ると、ピンクの寝巻き姿だった。
「あっ、あっ、これはっ、その…」
途端に恥ずかしくなって叶絵は顔を赤らめる。その様子を見て少年は、ハッハッハと声を上げて笑った。

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CHILDish Monstrum:或る離島の業務日誌 その⑧

「じゃね、おじさん。もう帰っていいよ。私はおじさんの魔剣作るから」
魔剣? 作る? キュクロプスの能力に関係することなのだろうか。これから関わっていく以上、知っておいた方が良いだろう。この機に尋ねることにする。
「魔剣? 君の能力か?」
「ん。私の能力、『魔剣の鍛造』。島のみんなも全員持ってるよ。おじいちゃんにもあげたの。たくさん」
「悪いけど、私は剣なんか使った事……」
「別に、剣になるとは限らないよ」
「『魔剣』なのに、かい?」
「ん」
微妙に話が飲み込めない。首を傾げていると、キュクロプスが話を続けた。
「『魔剣』っていうのは、別に剣だけじゃない。武器でも何でも無いこともある。分かりやすく言うなら、『魔法のアイテム』みたいなもの。その辺のモンストルムの特殊能力にも負けない不思議な力を持った道具類。その人専用の最高の相棒。それを私は『魔剣』って呼んでる」
説明しながら、キュクロプスは『作業場』に続いている方の扉に向かっていた。
「次、いつ来るの? 私、3日は作業場から出てこないよ」
「あ、ああ……それじゃあ、3日後の12時頃、また来よう」
「ん。じゃね、おじさん」
最後にこちらに手を振って、キュクロプスは作業場への二重扉をくぐり、あちらへ籠ってしまった。