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視える世界を超えて エピソード9:五行 その②

今月分の『デート』を終え、種枚と犬神は地面に開いたクレーターの縁に並んで座って一息ついていた。
「……そうだ、犬神ちゃん」
「なーに、キノコちゃん?」
「たしか次の金曜、開校記念日なんだろ?」
「うん。何、掟破りの2度目をご所望?」
「いや、そうじゃな……いやまあ、君に会いたいのは事実なんだけど」
「良いよ。じゃあクラスの奴らと遊ぶ予定はキャンセルしとこ」
「そこまでするかね?」
「正直、学校の奴らにキノコちゃんより大事にする価値のあるのが居ないんだよねぇ」
「青春時代の友人は大事にするもんだぜー?」
「私、キノコちゃんのこと大事にしてるよ?」
「うんごめん、言い方が悪かった……それで、金曜の用件なんだけどね。せっかくだから君にだけは教えてあげよう」
「え、ホント? やったー!」
種枚に耳打ちされ、犬神は表情を輝かせた。
「何それ楽しそう! 賛成!」
「君に喜んでもらえて嬉しいよ。それじゃ、来てくれるんだね?」
「もっちろん! 私も中心メンバーなんでしょ? 絶対行く!」