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Flowering Dolly;STRONGYLODON Act 7

「彼女は積極的に僕の“マスター”であろうとした」
学生ながら僕の戦いのサポートをしてくれてたし、僕も彼女に寂しい思いをさせないようにしてた、と青緑色の髪の少女は呟く。
「…だけどある日、僕らがいた町にビーストの群れが襲来した」
僕は町で数少ないドーリィだったから本気で戦ったし、マスターは住民の避難を手伝ってたと青緑色の髪の少女は言う。
「なのに」
マスターは、僕を置いて自分だけ逃げたくなかったのか、町に戻ろうとして…と青緑色の髪の少女は顔を手で覆う。
「ビーストに殺されてしまった」
青緑色の髪の少女は震える声で言う。
「僕が、どうにかビーストを倒し切って、マスターを探しに町の外の避難所へ行ったけど見つからなくて、それで町に戻ったら…」
青緑色の髪の少女の声に嗚咽が混じった。
「…僕のせいだ」
ドーリィにとってマスターは守らなきゃいけないものなのに、守りきれなかったと青緑色の髪の少女は肩を震わせる。
「こんな僕に戦う資格も、マスターを得る資格もないと思ったよ」
それなのに、と青緑色の髪の少女は続ける。
「僕の、ドーリィとしての“本能”が、僕自身を新たなマスターに適した人間の元へ引き寄せてしまうんだ!」
僕の“本能”が、戦えと言っているんだと青緑色の髪の少女は声を上げた。
「なんで、なんでなんだよ」
なんで僕は人間と違って、悲しむ余裕も与えられないんだよと青緑色の髪の少女は拳を膝に打ちつけた。少年はただ黙ってその様子を見下ろしていた。
「大変だ‼︎」
不意に、2人の耳に体育館の正面入り口の方から騒ぎ声が聞こえた。
「ビーストが、ビーストが、避難所に向かってきてる‼︎」
なんだって⁈やそんなぁと避難所の人々に動揺が広がる。少年は思わず避難所内の方を見て呆然とした。
「…少年」
不意に青緑色の髪の少女が呟いたので、少年は彼女の方を見る。
「今すぐここから逃げた方がいい」
じきにビーストがここを破壊する、と青緑色の髪の少女はこぼす。
「…あなたは、どうするんですか?」
少年がそう尋ねると、青緑色の髪の少女はどうするも何もと返す。
「僕は、ここに残るだけさ」
その言葉に少年は言葉を失う。

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杖を捨てた。

褒められるために他人を傷つけるアイツと
守ってあげるために自分を犠牲にする貴方が
同じ「ありがとう」で片付けられることが無いように

杖を振る 少し世界が柔くなる
杖を振る 少しアイツがまともになる
杖を振る 少し貴方の眠りが深くなる
杖を折る 少し「私」の心が軽くなる
杖を捨てる。