それから暫く。
おれは商店街の裏路地にいた。
と言うのも、おれと友達たちはかくれんぼをしているのだ。
そしておれが鬼となって他の皆を探している所だ。
しかし…
「うーん、これは面倒だな~」
おれは両目を黄金色に光らせながら言う。
なぜなら、今おれに見えている”友達たちの移動の軌跡”は複雑に絡み合っているのだ。
皆はおれが異能力者である事を知らないはずなのに、ここまで”軌跡”がごちゃごちゃしているなんて。
全くの想定外だ。
「…まぁ仕方ない、諦めて”軌跡”を辿って皆を探すか」
おれはそう言って歩き出す。
…と、近くに気配を感じた。
「?」
思わず右斜め後ろを見ると、近くの建物の外階段の3階の踊り場に見覚えのある少女がいた。
「あ」
おれが思わず呟くと、少女はこちらを睨んだ。