冬は苦手です
夜が早く来てしまうから
いつもより不安の波が押し寄せて
長い夜をずっと一人で
過ごさないといけないような気がして
もちろんそれは勘違いで
画面の向こうにも 電波の先にも
きっとどこかで 誰かは生きているのですが
ついつい「自分だけ」と
思ってしまうみたいです
どうしても眠れないとか
どうしても起きなければいけない夜に
数時間前にあった太陽のことや
頭上を過ぎていった星のことを考えます
今もどこかで 何かを照らしているはずで
それは立派な建物だったり
隠れて涙をこぼす「あの子」だったり
まだ自分の見たことのない「何か」を
経由して明日が来るみたいです
だから結局は大丈夫
つまり「一人じゃない」のだと
そう思えない夜があったとしても
ほんの少し
夜に潰されなくなるように言葉を落とします
「…お前名前は?」
おれは露夏って言うんだけど、と露夏は笑いかける。
金髪のコドモはえーと…と目を泳がせた。
「この子、まだ“保護者”に名前を付けてもらってないんですって」
金髪のコドモの困った様子を見かねたピスケスはそう呟く。
露夏はえ、マジ?と首を傾げた。
「この子名前ないの⁇」
露夏が聞くとそうなのよとピスケスは答える。
「はえ〜」
そういう“保護者”もいるんだなと露夏は顎に手を当てた。
「まだこの子を造った人は魔術に慣れていないから、急に人工精霊を造ることになってどうしたらいいのか分からないみたいなの」
だから急に名前を付けられなくてね、とピスケスは続ける。
「ま、魔術に慣れてないのに人工精霊を造るなんて…」
どういうことだよと露夏は呆れた顔をした。
ピスケスはふふふと微笑む。
「まぁ、ちょっとね…私がそうさせたんだけど」
「おい」
思わぬ発言に露夏は思わず突っ込む。
「お前魔術初心者に人工精霊造らせたのか」
何考えてんだよと露夏はピスケスにジト目を向ける。
ピスケスはまぁまぁいいじゃないのと続けた。
幸せの糸口にひとつ束ねた花束を。
迷いの迷路には出口と階段が。
(もう春は遠からじでしょうか)
子猫は泣き出して
小さなお屋敷の主人に貰われてゆきました。
何不自由ない暮らしをしたそうです。
(もう冬ですね。なんとなく子猫は苦しがって優しい温かい暖を求めて幸せに暮らしてるそうです。)
迷子が手を繋いだら
ぶつかりあって
合唱しはじまったよ。
こういうの書くにはエネルギーがいります。星の欠片で出来た私たちは過ぎ去ってゆく時を引き戻しにやってこれるでしょうか)